カジュからのメッセージ

こちらのコーナーでは、
カジュ・アート・スペースが年4回発行している「カジュ通信」の記事を中心に、カジュに集うアーティストたちや地域活動家たちのメッセージをお届けいたします。

2005年以前のメッセージについてはこちらをご覧ください。

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往復書簡(51) たなか牧子さんから石田人巳へ  2017年

51回続いたこの往復書簡もこれをもって一区切りとなります。

カジュに集う多くの仲間が、それぞれに刺激しあい、親交を深めている様子が

毎回、手紙のやりとりから伝わってきました。

このシリーズの担当をさせていただき、私も多くのものを得ることができました。

皆さん、ありがとう!石田人巳

テーマ:文字とは、書くとは

石田人巳さま

気がつけば、カジュ・アート・スペースは、今年で20年目。

石田さんとはその前から、よりとも公園に集う、子どものお砂場仲間のママ同士、というところ からご縁がスタートしたのでした。

すでに、その頃一緒に遊んだ石田さんの息子さんも、私の息子も成人してしまいましたが。

あっという間でしたね。

石田さんにはカジュ通信の創刊号から、編集をお手伝いいただき、しばらくしてこの「往復書簡」 の企画を立ち上げてくださり、以来、書いてくださる方の手配、連絡、記事の編集を一手に引き受け てくださって、すっかり、カジュ通信の看板コラムになりました。

さてさて、今まで書いてくださった方、一体何人ぐらいいらっしゃるでしょうね。

この2ページで繰り広げられる様々な化学反応に、心躍り、うーんとうなり、くすりと笑い、ぶんぶんうなずき・・・ほんとうに豊かな気持ちになりました。

全ては石田さんの、長年に渡る心のこもったお仕事ぶりのおかげです。

石田さんは編集者としてのキャリアもさることながら、書道の師範でもいらっしゃいますね。ふと、石田さんにとって、「文字」ってどんな存在なのかな、と思うようになりました。

私も昨年、本を出させていただく幸運を頂き、4ヶ月ほど、どっぷり「文字」の海をあっぷあっぷと 泳いだのですが、その時つくづく思ったのは「ああ、日本語が母国語で幸せ〜!」ということでした。

漢字もカタカナもひらがなも、その組み合わせで生まれる言葉のあれこれも、みんな愛おしくてありがたくて、幸せだなぁと。

石田さんにとって、文字とは、書くとは・・・?うーん、お返事、興味津津です。

これで「往復書簡」は幕となりますね。ほんとうにほんとうに、長い間、ありがとうございました。

これからもどうぞよろしく。 

たなか牧子拝

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往復書簡(50) 石田紫織さんからたなか牧子さんへ

テーマ、永遠の・・・

牧子先生

先日はシルク博物館全国染織展での作品の入賞、おめでとうございました!

なんと、私たちの朗読と音楽のパフォーマンスからヒントを得てデザインされたと伺って、とってもうれしいです。

実は、ちょうどお手紙に似たようなことを下書きしていたところでした。

私が、たしか清泉女学院中学校3年生の時。美術の授業で、「音楽を聴いてそのイメージでデザインした」という先生の作品を見せていただきました。それは、本当に音楽が流れるような意匠で、絵っていうのは見たものを描くだけじゃないんだ、感じたものを表現するってこういうことか、と知った初めての体験でした。そのときの衝撃は今でもはっきりと覚えています。

そして、音楽と美術の境目がなくなったのもこのときでした。

そのあと、大学生の時に、母校での教育実習で先生と再会しましたよね。それで先生の作品展を見に行きました。絵画を専攻していた私は、工芸とファインアートの間に線引きをしていたように思いますが、先生の作品はその両方のいいとこ取りをしていて、衝撃を受けたものです。そして、工芸とアートの境目がなくなったのもこのときでした。

また、「おくりもの」というタイトルがついていて、作品たちが、実用性というよりむしろ「贈り物」という役割を与えられて生まれていることにも驚いたことを、はっきりとおぼえています。

先生は作品の役割について考えることはありますか?

 自分を喜ばせること? 人々を喜ばせること? 神様を喜ばせること?

 

実用的な役割があってこそなのか?

 

社会的な役割があってこそなのか?

 

はたまたArts for arts shake なのか?

これって、もう語り尽くされたことかもしれませんが、私は未だにそんなことをぐるぐると考えるときがあります。

でも、そんな絡まりをいつもひょいとほどいてくれるのが、カジュ・アート・スペース。

いつも、カジュの催しに参加すると、なんとなく答えが見つかるような気がするのです。

さて、牧子先生、私からも賞をひとつ。

「石田紫織の人生に影響を与えたで賞」(笑)

先生は、私の人生の方向性を決めるきっかけになった偉人のうちのひとりであることは間違いないです。

これからも、衝撃をください。

石田紫織

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【石田紫織】

パーカッション担当としてのバンド活動を経て、2002年タブラを学ぶため渡印。2007年よりpt.シュバンカル・ベナルジーに師事、毎年コルカタに数ヶ月滞在し研鑽を積む。また、U-zhaanの指導を受けている。インド古典音楽や舞踊の伴奏の他、オリエンタルフュージョン、Pops、Electro等のライブやレコーディングに参加。「むゆうじゅ」「ヌーベルミューズ」では、アメリカやヨーロッパ3カ国ツアーを行うなど、国外にも活動の場を広げる。2015年度インド政府奨学生として、ラビンドラ・バラティ大学パーカッション科修士課程へ留学中。

【ホームページ】http://www.ishidashiori.com/music/

【ブログ】←インドネタも更新中!http://ishiorin.blog24.fc2.com/

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往復書簡(49) 石倉正英さんから石田紫織さんへ

テーマ:引き寄せるもの

前略 石田紫織さま

お元気でお過ごしですか? これが掲載されるころにはまたインドですね。

さて、僕にとって「朗読パフォーマンス」の楽しみのひとつは、様々なミュージシャンとセッションできること。 そんなミュージシャンの中でも、石田さんのタブラは素人目にも群を抜いて素晴らしく、毎回ご一緒できるのが楽しみでなりません。本当に、なんと多彩な音が出るのでしょう。石田さんの手にかかると、あのどちらかといえば地味な二つの物体が、喋り、歌い、音楽を奏で始める。いやはや、まさにイリュージョンです。

石田さんが、数ある楽器の中からタブラに行き着いたというのは、僕が数あるパフォーミングアートの中から芝居に行き着いたのと、なんだか似た匂いを感じています。そこには言葉にはできない、ある種の必然性のようなものがあるように思えてなりません。こういう説明のつかないものってワクワクしますよね。

「人は一生に一度、インドに呼ばれる時が来る」と言ったのは三島由紀夫だっただろうか。仏教や神話の源泉であるインド。仮面劇も色々と残っていますよね。紐解きたいことは数々あれど、いまだお呼びがかからない僕ですが、石田さんは「インドに呼ばれてる」と感じた瞬間ってありましたか? 

今年も長くインドに行かれている石田さんにとって、インドとはいったいどんな存在なのでしょう。とても興味があります。

今年もまた秋頃にご一緒できそうですね。何やりましょうかね。今からとても楽しみにしています。

それでは、インドへの渡航、どうぞ、お気をつけて。

2016年初夏 紅月劇団 石倉正英

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【石倉正英】

 

洋館や古民家、海辺のカフェなど、非劇場的空間を活かした個性的な 作品を創作する紅月劇団主宰。 脚本・演出・役者。語りや朗読パフォーマンスなど、ソロでも活躍中。 http://r-lune.jp  Facebook / twitter : 紅月劇団

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往復書簡(48) 鎌倉智士さんから石倉正英さんへ

テーマ:鎌倉の未来のこどもたちへ

石倉正英さま

   

一昨年の路地フェスの打ち上げではじめてお会いしてから、トントン拍子でコラボ企画を実現したのがいまでは懐かしいです。考えてみれば初対面からわずか3カ月後には一緒に舞台に立っていたわけですね。2014年9月につづき12月にもご一緒させていただき、去年の2015年5月の路地フェスでは西御門サローネでまたご一緒させていただきました。出会ってからの丸1年で3回もコラボさせていただけたこと、とても光栄です。コラボ企画といっても、実際には大先輩の紅月劇団に肩を貸していただいただけですので、これから少しでも恩を返していけたらと思っています。

 

さて、テーマですが、「鎌倉の未来のこどもたちへ」と題させていただきました。このテーマを次につなげていただければ倖いです。

 

そもそも私たち鎌倉もののふが活動している趣旨は「鎌倉にねむるすべての御霊への鎮魂」と「地域振興」です。その趣旨のなかで「未来のこどもたちへ何を語り継いでいけるのか」というのはとても重要なテーマです。そんなこともあって、鎌倉時代のお芝居を一緒にしていただけないかと声をかけさせていただいたのが最初でしたし、舞台(お芝居)には多くのこどもたちも立たせていただきました。本当に感謝です。

現在私たちは鎌倉時代の装いや食事を体験できる場や、鎌倉武士と一緒に鎌倉の史跡をめぐるなどの機会をつくっていますが、今後は絵本や紙芝居などでもこどもたちに「鎌倉の1つの歴史」を紡いでいけたらと思っています。またそんな試みのなかで無理のない範囲でまたコラボしていただけたら嬉しいです。

 

出会って丸2年、今年2016年5月22日には4回目のコラボが実現します。いまからとても楽しみです。

鎌倉 智士

                                   

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鎌倉もののふ隊 隊将 鎌倉智士(かまくらさとし)

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往復書簡(47) 佐野武さんから鎌倉智士さんへ 2016年

テーマ:鎌倉にもののふあれ!

鎌倉智士殿

私と鎌倉殿との始めての出会い、それは昨年のカジュ祭の時でしたね。

カジュのお庭に突如甲冑姿で現れ、ほら貝を吹くやいなや「皆のもの~時の声をあげよ~えいえいお~」と郎党達とともに声をあげていましたね。

まさにその時、その姿を見た瞬間、私の脳裏に一筋の光が走るのを感じました。

そう思い起こせば10年前、会社を鎌倉に移してきた年。ある計画を密かに準備していました。それは鎧を羽織って古道を歩くことでした。結局、それは一人では出来ず、その後すっかり忘れさられておりました。こたび、まさにそのことを実際に実行なさっている方と出会い、感激し、早速連絡をとり、鎌倉殿の指導を受け、マイ甲冑を製作。さらに現在では鎌倉もののふ隊臨時スタッフとして活動に参加させていただいております。本当にありがとうございます。

実は私は今から約30年ぐらい前に鎌倉二階堂にあるジュエリー作家宅へ仕事でよくお邪魔しておりました。当時はまだ20代前半の若造でしたが、鎌倉の印象はよく覚えています。なにしろ草がいたるところにあり、町も山も緑に溢れていたと記憶がございます。

土の匂いが自分の実家の山梨と同じ匂いがするので、鎌倉に仕事が決まるといつも うきうきしていたのが本当に懐かしい記憶。

でも今はその土の匂いは薄らいでしまいましたね。この素晴らしい文化がどのようにして後世に伝えられていくのか、いつも気がかりでもありました。

そんな時 鎌倉殿との出会いがありました!

ここカジュ・アート・スペースで昨年幾度もツアーを開催させていただき、そこで沢山のお客様の喜ぶ笑顔、歴史の話に耳を傾け楽しむ姿を見るたびに、うなずいている自分。

そうだ!この活動を広げよう。そして、大きな流れになること、それがこの町全体に 活力を与えること。そして未来の子供達にも、さらに日本のためにもと。

私の今年の目標。それは

大切なものを残すこと、伝えること、そしてもののふの心を育てること

鎌倉時代に生きた方々の生き様に少しでも触れてみたいと考えております。

鎌倉殿! 今年もどうぞよろしくお頼み申し上げるまする。ではこれにて

PS 牧子殿、昨年は色々と多大なご協力いただき誠にありがとうございました。

   

今年もどうぞよろしくお願いいたしまするよ~。    佐野 武

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佐野 武  (株)ステラマリン 代表 山梨県甲府市生まれ 水晶作家・ もののふ隊

 

鎌倉二階堂で工房を構え11年目 ただ今鎌倉もののふ楽団構成中 お楽しみに!

 

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往復書簡(46) YUKI☆さんから佐野武さんへ

テーマ:ほとばしれ!元気汁☆

佐野 武さま

春のカジュ祭ではお隣でお世話になりました。新緑から滴る木漏れ陽が、チラチラと  遊ぶカジュの庭でお会いしてから早5ヶ月ですね、いかがお過ごしですか? あの時飲んだ 「超生搾り!自分で回す喜びの汁」ジュース、メッチャおいしかったです! キャーキャー言いながら自ら絞る楽しさと面白さに、ふと様々な想い出がフラッシュバ ックしました。

ちょっと前まで、鎌倉の海や山や野は今よりもはるかに近くにありました。

坂の下の漁師さんから天然のわかめを買い、家族総出で一年分の干しわかめを作る冬。 黒く縮れたわかめをお湯に入れればびっくりするほどキレイな緑色に海の香りをまとっ てその肉厚さを再び味わわせてくれたし、摘み草に出かけた春の野では幾種類もの野草 を取り分ける祖母がすごくカッコよく見えました。私はノビル玉を抜くのが大好きで、 摘み草の翌朝のノビルのおみそ汁は自分で摘んできた“得意”な気持ちも混じって絶品 でした。蓬で草餅を作る時は手が真っ赤になるほど熱くって苦手だったな、とか、掘り たてのタケノコの皮を剥いで梅干しをはさんでしゃぶったこと、大谷戸の夏みかんで煮 る5月のママレード作り、家の前の川で捕った蛍を見ていた夏の夜、散歩の途中でお月 見用のススキを採ってきてと頼まれた事などなどなど・・・。

そんな生活が当たり前だった鎌倉もここ10~15年でとても変わりました。まるで別の 街の様です。でも、気が付けば私自身が手軽なコンビニ生活にいつの間にか慣れきってい たようです。鎌倉が海と山と歴史の恩恵をいかに受けてきたか、今も沢山の人が集まるの はなぜなのか、もう一度考えてみたいと思いました。

カジュの庭で味わわせて頂いた、ちょこっとでも自分の手を掛けて恵みを口に入れる おいしさ、道具を使う楽しさは、“手間”が“エネルギー”に変わる瞬間でした。果汁も 飛び散っていたけれど、あの時一緒にほとばしっていたのは自分の元気汁だったんだな ーと改めて感じます。

素敵な食材と粋な道具たちで是非またおいしいエネルギーを頂きたいです。 再びお目にかかる日を楽しみにしています!どうぞ、すてきな秋をお過ごし下さい。

YUKI☆

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人形遣いYUKI☆(YUKI☆ PUPPET WORKS): 鎌倉在住。御成中学校在学中に人形劇部に入部。卒業後、鎌倉児童ホームでの人形 劇公演の熱気が忘れられず人形劇に恋をする。その後何をしているのかは「人形劇のおしごと」で検索を☆

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