トラーべ・アート・フェスティバル、箱膳で‘日本’を堪能
10月26日は「鎌倉遊山」の予定でしたが、雨天中止。
私も楽しみにしていたのに、残念!しかし、元々お昼にカジュ・アート・スペースにて予定していた「箱膳」による昼食会は、せっかくなので行うことにし、雨の中ありがたいことに、ドイツ人のアーティストと日本人の参加者、併せて約20名の方々にご参加いただきました。
会のはじめにまず、箱膳で食事をいただく場合の作法について、また箱膳にまつわる四方山話について説明させていただきました。説明して改めて思うのですが、箱膳は、「無駄にしない」、「小さな空間を有効に使う」という、実に日本人の美学が詰まった道具ですね。
つまり箱膳で食事を行う場合、食事をした後、食器に付いた滓を白湯とお漬物で洗い流して飲み干すので、料理を余すことなく、隅から隅までいただくことになります。さらに、この作法により食器の洗浄の手間が省け、水と石けん(洗剤)を使う量が少なくて済みます。また、箱膳という道具があれば、持ち運び可能なこの道具で食事と食器の管理が可能となり、家の中に食器棚もテーブルも必要とせず、家の中どこでも食事の場所とすることができます(だからといって多くの人は食事場所を決めるでしょうが…)。
そしてひととおり説明した後、みんなでお昼ごはん。 ‘日本’と‘鎌倉’を表現した料理にしようということで、一汁三菜の精進料理。
献立は、芋ごはん/けんちん汁(マキコ風)/茄子の煮浸し/ほうれん草のピーナッツ和え/ひじき/たくわん、という6品でした。この献立は、たくわん以外は全てたなか牧子さんの「作品」です。箱膳以前に、とてもうまかったです。
ドイツの方々も、おいしそうに、そして興味津々と、食事をいただいておりました。「鎌倉遊山!」は残念でしたが、秋雨の降りしきる中、かえってゆっくりと日本の食文化を堪能していただけたのではないかと思います。
※この記事は、10月16日から28日にカジュ・アート・スペースを中心に鎌倉市内20ヵ所を中継しておこなわれたアート・シンポジウム「トラーべ・アート・フェスティバル2007 in 鎌倉」についてカジュ通信2007秋冬号への寄稿です。
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