« 「ココロとコトバ」〜トラーベ・アート・フェスティバル2007 in 鎌倉に参加して    | トップページ | リズム »

 我が心の「トラーベ・アート・フェスティバル2007 in 鎌倉」後記    

2005年の夏は、私にとって忘れがたい人生の宝になった。北ドイツで行われたトラーベ・アート・フェスティバル2005。カジュ・アート・スペースにゆかりのアーティスト7人、神奈川県藤野のミュージシャンが2名、ハンブルグ在住の日本人アーティスト数名と、ドイツ人アーティストたち、合わせて総勢30名が参加した18日間のアートシンポジウムだった。

コミュニケーションのトラブルや習慣の違いによる心の摩擦を私たちは"よじのぼるように"乗り越え、
アートというツールの可能性を探る、とても深くて濃い時間だった。

それを受けて、その後一年半準備して取り組んだのが、今回の「トラーベ・アート・フェスティバル2007 in 鎌倉」だった。なんとか、あの18日間への返礼を実現させたい、そして新たな地元メンバーを加えてまた、ナマの、地方都市のアートシーンを見てもらえる機会を持ちたいと思っての企画だった。

子どもを含めて来日したドイツ人は17名。ぎりぎりまでホームステイのアテンドが決まらず、やきもきしたもの、今となればいい思い出。それぞれのホストファミリーが、迎えた独アーティストたちと、実に楽しそうにいい人間関係を築いてくれたことが、何よりうれしかった。

来日アーティストたちの実に自立したポジティブな行動も、私たちには印象深く、誰に指示されるのを待つでもなく、どんどん自分たちでできることを見つけて動く様は、日本人がもっと学んでよい点だと思った。予定以外の楽しいハプニングや、ワークショップも実現し、中でも目を見張ったのは、来日の3人の小学生と、地元の子どもたちとの交流だった。まったく言葉が通じない相手と、ここまで気持ちを通わせられる子どもたちの能力を見るにつけ、「外人さんはお断りします」といって憚らなかった、市内の某ホテルの対応の心貧しさが、なんとも腹立たしく、お粗末に思えた。(ホームステイがだめだったときのためのバックアップとして、市内のホテルを調査していたときにあった出来事。)

大勢の人間が何かひとつのことをやり遂げようとする過程には、コミュニケーションの欠落から、様々な誤解やネガティブな空気が生まれやすい。それは、そのミッシングピースを埋める「想像力」が、マイナスの思考に支配されてしまうと起こりやすい。そして、現代の日本人は、その傾向が強いように思う。しかしながら、今回のプロジェクトでは、ポジティブで陽気なドイツ人チームに感化されてか、その想像力がとても、強く、ユーモラスに働いて、ミッシング・ピースは優しさや思いやりで見事に埋まった。これは、この企画に参加した全員の勲章だと思う。

細かい報告については、期間中忙しくて更新がままならなかったホームページに追々記事を追加して
ゆくので、ぜひ覗いていただきたい。また、来春出来上がりを目標に、ドキュメンタリー映画の制作も進んでいるので、引き続きご注目いただければ幸いである。小さな小さな国際交流のアートシンポジウム。ここからまたなにか「次」が生まれることを予感しながら、関わっていただいたすべての方々への感謝の言葉にかえさせていただきたい。

トラーベ・アート・フェスティバル2007 in 鎌倉
実行委員会 委員長  たなか牧子拝

※この記事は、10月16日から28日にカジュ・アート・スペースを中心に鎌倉市内20ヵ所を中継しておこなわれたアート・シンポジウム「トラーべ・アート・フェスティバル2007 in 鎌倉」についてカジュ通信2007秋冬号への寄稿です。

« 「ココロとコトバ」〜トラーベ・アート・フェスティバル2007 in 鎌倉に参加して    | トップページ | リズム »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 「ココロとコトバ」〜トラーベ・アート・フェスティバル2007 in 鎌倉に参加して    | トップページ | リズム »