地産地消
2008年カジュ通信 夏号より
今年は梅雨が早かったので、まだ8月に入ったばかりなのに、すでにたっぷりと夏を過ごした気分です。まだ泳いでいないので、織の教室がお休みのうちに、今年は海まで行ってみようかな。
夏の展示会も終わり、今は、秋冬の作品の制作準備中。この暑さの中、ウール素材で “あったかい”ものを作る、、、いくら想像力をたくましくしても、かなり無理があります。でも、世の中のスピードが速いので、商売はいつも半年から1年近く先取りして仕事をしなければなりません。
ほんとうなら、季節季節の息吹を感じてon timeで仕事をしたいのですが、それでは経費が利益を上回ることになって、成り立ちません。ではなぜ経費がかかるかというと、じっくり、季節に合わせて仕事をしていると、例えば伸びた草は、人に刈ってもらうことになる、営業を人を雇ってしてもらうことになる、余計に車を使うことになる、、、。事業をある程度「大きく」しておかないと物事がうまく回っていかない、、、これが現代の構造ですよね。江戸時代の大店(おおだな)とかって、どうやって商売成り立たせていたんでしょう???
<p.人件費の安い労働力を求めて外国に工場をつくる、マーケットを広げるために外国に店を出す、輸出する。人もモノも、大そうな距離を恐ろしく短い時間で行き来するようになりました。それによって、文化の交流も盛んになって、国際理解もすすんだか、と思うこともありますが、あらたな紛争のタネも撒きちらしているような。
朝早起きして、自分の畑を手入れ。その日に食べる分を収穫して、ついでに野原で染料と山菜をゲット。身近な素材でできたセルフ・ビルドの家で、薪ストーブで料理する。薪は、植木剪定材集積場でゲット。最近は、日本の養蚕農家が次々復興を果たし、中国からの輸入に頼らなくても国産の絹糸が種類豊富に出回るようになったのでありがたい。和棉もすぐ近くで採れたものが安価で手に入る。
染めものをしながら店をあけて、作ったものを訪れた人に売る。材料が全て身近で手に入るので、作品の価格も抑えられ「いいものが手ごろだ」と評判。
日も落ちてきたので仕事は切り上げ、夕飯のあと、すぐ近くのカフェに友人のライブを聞きにゆく。ついでにそのカフェのキッチンで出た廃油をもらう。石けんを作るので。お客で来ていた由比ヶ浜の漁師の友人から地魚をもらったので、かわりに野菜をあげる、、、夜は読書。時々映画。、、、、、、ならいいのに。
たなか牧子(カジュ・アート・スペース主宰)
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