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踊って出会うこと

Natsuko

〜ドイツストリートと国際平和村〜

by 伊藤 夏子(タップ・ダンサー)

2008年秋、2週間ドイツへ行きました。そこで出会った事について書いてみたいと思います。

2007年にカジュを中心に行われたトラーベアートフェスティバル鎌倉
その時、ドイツから娘連れで参加したシャーロッテ(/歌)と、’08年秋にハンブルグ近郊で KYOU(/藤野在住
ピアニスト)
がライブをするという話を聞き、その機に私もドイツへ!と予定を合わせました。

仕事の都合でライブには行けなかったのですが、以前から日本国外でストリートパフォーマンスをしたかった
ので、相方もいるなんて心強い。折りたたみのタップ板を持参し、KYOU演奏のピアニカ&ジャンベとのセッ
ションで、また時には一人で、ハンブルク、リューベック、ベルリンの街角でストリートパフォーマンスをし
てきました。

ドイツのストリート事情は、朝10時前や青空マーケットの場所は不可、同じ店の前で30分以上演らない等、
町による最低限のきまりがあり、パフォーマンスは基本的にOKです。でっかいグランドピアノを路上に出して
演奏している人や、家族に見守られる兄弟のバイオリン弾き、歩道一杯に広げた大きな画を描く人、いろいろ
な人がいます。

大道芸=道交法違反の日本でのゲリラストリートと比べたら、とても自由な気持ちで行えて楽しい!自分のして
いる事が当然だ、と思えるのはうれしい事です。街を歩いている人もパフォーマンスを見慣れていて、気に
入れば一人でもずうっと見ているし、子どもでも楽しんだらにこっと投げ銭を入れていってくれます。その国
の背景がいろいろわかって興味深い「街角で踊る旅」今後は各国行ってみたいので、泊めてくださる方はぜひ
おねがいします!

ドイツでは、シャーロッテをはじめ、アーティスト宅ですっかりお世話になりました。あたたかく勇気をくれた
ご縁に感謝です!!

このストリート旅の途中、ひとつ自分の予定として決めてあったのは、インターネットでみつけた、
ドイツ国際平和村への訪問でした。

世界各国の紛争地で傷ついた子どもたちをドイツへ運び無償で治療し国へ帰す、という活動をもう40年もして
いる組織。そのまま祖国にいては死んでしまう重傷の子だけつれてきており、手術を終えた子どもが回復して
帰国できるまでの間、生活する施設です。私はそこでパフォーマンスさせてもらうことにしていました。

私の中では、日本も支援している他所の国での戦争がピンとこない、新聞で記事を読んでも、それが自分達に
とってどういう事なのか、つかめない、こんな事でいいのかな。。。

友人たちと別れ、オランダ国境寄りの町まで電車とバスを乗り継いで4時間半。

到着後、日本人スタッフの中岡さんに施設を案内して頂く。赤ちゃんから13歳位の子どもが半年から1年間
親元を離れて暮らす場所には、地雷等で脚を失った子のための様々なサイズの杖がありました。

皆の日常的なものをパフォーマンスに使いたかったので、ステッキ代わりに一組貸してもらう。顔などがただれ
てしまっている子、脚のない子が多く、外傷のない子どもは重い内的疾患を抱えている。

でもそういう事はとりあえず心のわきにどけ、パフォーマンスを始めました。

砂や杖でリズムをつくるパフォーマンス等、興味津々で見ていたみんな、最後のナンバーにタップのアカペラを
始めたら、そのリズムに合わせて手を叩きながら歌いはじめた。私の知らない歌がタップにのって会場が一体に
なる! あとで聞いたらアンゴラの故郷の歌だったそうです。

終わったあと広場へ行くとさっき見ていた子どもたちがよってきて、足踏みや杖を鳴らして話しかけてきます。
そのうち、男子は蹴りがどこまであがるか勝負!とか、アンゴラ女子は腰や胸を突き出すセクシーダンスを
次から次へと、これはできる?!と対決を挑んできました。なんだかうれしく、結構ムキになって応戦。
ベールをかぶってひかえめなアフガンの女の子達が、くりっとした目で微笑んでその様子を見ている。

笑顔の皆と別れ、ちょっと寂れた町を眺めバスに揺られているとじわ~と広がる感覚がありました。

あの子たちは私の娘と同じ年頃。つまり今日本で暮らす小学生たちと同じ未来をつくっていくメンバーなんだ
なあ。

彼らの「日本人」のなかに一緒に踊った私が含まれるだろうか。私の娘ともいつかどこかで知り合うだろうか。
殺し合いではなくて歌や踊り合いで勝負を決める世界になればいいのにな。武器撤廃。相手の文化をよく見て
自国の文化を再認識すれば、引き分け停戦。そのまま路上で亡くなっていたかもしれない彼女たちが、平和村の
おかげで救われてよかった。喜びと希望を持っていてよかった。”今”起きている事はすべてつながっている、
という事を感じて身震いする。どこの子どもも憎しみより楽しみと出会えますように!!

私は何をしていけるだろう。

※もしご興味を持たれたら、平和村のリポートをのぞいてみてくださいね。すべて寄付金で活動していて、集まった資金で救える子どもの人数が決まります。

カタログハウスの「通販生活」新春号にも記事があり、一口2000円のお年玉カンパを募っています。

FRIEDENSDORF INTERNATIONAL ≪ドイツ国際平和村≫

Lanterstrasse 21, 46539 Dinslaken, Germany

TEL +49-(0)2064-4974-135/126

FAX +49-(0)2064-4974-999

E-MAIL japanpeace@friedensdorf.de

寄付金口座:

三菱東京UFJ銀行 本店 普通口座

口座番号:0152887

口座名:ドイツ平和村またはAktion Friedensdorf e.V.


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伊藤夏子/タップダンサー。鎌倉山崎のぼっとん古家にひとり娘&猫3匹と暮らす。

ライブ予定等は「あしおとがきこえる?」をごらんください。

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