日々のこと(ニュージーランドにて)
カジュ通信2010年新春号 より
ニュージーランドに来て二ヶ月が経ちました。初めての、旅行ではない海外での生活。言葉の問題はまだまだありますが、語学学校にも通いはじめ、様々な国、文化の人たちと話すのが楽しくなってきました。怖がらずにどんどん話せば、なんとかなるものだと日々感じています。(私の住んでいるWellingtonという都市は首都にも関わらず、日本人がそんなにいないので、これも英語を学ぶにはいい環境だと思います。)
こちらに来る前に、ニュージーランドのことについて多少調べていました。
例えば、私の大好きな糸を紡ぐということについて。NZは、羊毛を紡ぐ人が世界で一番多いと聞いていたのですが、残念なことに紡いでいる人や、手編みの帽子やセーターを身に着けている人を全くといっていいほど見かけません。夫は冬(北半 球の夏)からNZにいますが、冬でも手編みのものを身に着けている人はいなかったそうです。でもこれは、ここが北島だからなのかもしれません(南島が本場らしいので)。
今後、南島に遊びに行く時のお楽しみにしたいと思っています。
その他、いくつか、生活してみて見えたことを書きたいと思います。
まず一番は、とにかく植物がおもしろいです。南半球だということ、そして島で、独自の進化をしているということもあるのでしょうが、見たことのない植物がたくさんあり、心奪われています。
これらはマオリ語の名前を持っていることもあり、中には「inaka」や「karamu」「neinei」と言った、日本語みたいな名前の植物もあります(ぜひ染めてみたいものです・・。)
それから、農業国だけあって野菜がおいしいです。私は今まで、にんじんがこんなに甘いものだということを知りませんでした。それから、水もとてもおいしいと思います。(しかも、水道代は無料です!)そして、とにかく牛肉が安いです。(ひき肉で100gあたり\60くらい)。ただ代わりに、鶏と豚と魚はやや高いです。特に魚は、小さい魚を取ることは法律で禁止されているそうで、大きな魚しかありません。魚があまり食べられなくなって、日本の魚文化はすばらしいなと改めて思っています。アジとかサンマとか食べたいです。お寿司もここでは大人気ですが、ね たは主にアボカト、サーモン、ツナ。それにコカコーラを組み合わせて食べているのをよく見かけます。なぜに炭酸・・。日本人にとっては、考えがたい組み合わせですよね。
また、おもしろいと思ったのは中古品の循環です。「family store」という、キリスト教の団体(救世軍)がやっているお店があります。ここに、いらないものを持ってくると格安の値がつけられ、結果としてそれが寄付にもなるというシステムです。品揃えも豊富なので、限られた予算内でうまくやりたい私たちには大変ありがたい存在です。(しかも、それが寄付になっていると いうのも嬉しい)。
そして、ここでおもしろいのは、日本では粗大ごみ行きであろう品物(例えば椅子の足が1本ないとか、たんすの取っ手がなくて開かないとか、そういう)致命的に壊れているものでも普通に売られ、そして買われていくことです。みんな、直して使っているようです。これは、ぜひ真似したいと思いました。
それから、「trade me」というネットオークションもあります。ここでおもしろいのは、仕事や家までもが普通に取引されているということです。(私たちも、今住んでいる部屋をこれでみつけました。)そして驚くべきは、落札した品物は自分で取りに行くのが前提になっているということです。(買う前に、そこをチェックして買います。 宅急便などで送ることはできない、と初めから示されている場合が結構あります。)私たちも、冷蔵庫と洗濯機を落札し、レンタカーを借りて直接出向きました。その時はいろいろなNZ情報が聞けた上、その人が育てたおいしい卵をもらっちゃったりして、とてもおもしろい経験でした。こういう、他人との関わりにおいて、信頼 がベースとなっているのはすごいと思います。人が少ないから可能なのでしょうか・・?
最後に、これはいいなあと思うこと。それはあいさつについてです。例えばバスを降りる時は、運転手に「ありがとう!」と言って降ります。日本のバスと同じぐらいの大きさのバスなので、後ろから降りる時はみんな大声で’Thank you!’と怒鳴ります。運転手は鏡越しに微笑んだり、微笑まなかったりします(微笑まなくてもちょっと嬉しそう)。それから、スーパーのレジでも必ず’How are you?’と聞かれます。「いらっしゃいませ」という一方通行のあいさつではなく、ちょっとした会話が必要なのです。どこへ言っても、必ず声をかけられます。そしてその後、’I’m fine, thank you and you?’、という、中学校で習ったような会話が続いていきます。人と人の会話と、笑顔があります。これは、ほんとにいいなと思います。
文 : むかい りえ
去年11月より2年の予定でニュージーランド、北島のウェリントンの在住。たなか牧子造形工房の仲間。義母から習い、欠かせないものになった糸紡ぎのこと、染めのこと、日々の生活について書いているブログ「みはるかす」は必見。
今回のたなか牧子造形工房教室展では、ニュージーランドの珍しい植物で手染めした原毛をスピンドルで撚った手紡ぎ糸を出品。
コメント
新しくブログを立ち上げた者なのですが、相互リンクしていただけましたらと思い、コメントさせていただきました。
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自動の仕組みになっているので、簡単に登録できます。ご迷惑でしたらすみません。Aob
投稿: 相互リンク依頼 | 2010/02/23 14:14