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くすりすく Vol.17

2010年カジュ通信 新春号より

「くすり」と「りすく」はうらがえしの関係です。
正しく使わないと「くすり」は、身体「りすく」になりかねないものです。
薬に関することを「つれづれなるままに」書いてみたいと思います。
リクエストなどありましたら、是非ご連絡ください。
by 高梨 真光

寅年なので虎のはなし

今年は寅年なので、この干支にまつわる話を少し書いてみましょう。

中国での伝説では「白虎(びゃっこ)」といえば、西方の守護をする、とされていました。日本では飛鳥村の高松塚古墳でも、西側の壁画に「白虎」が描かれていました。また「白」という色も五行思想では西方の色とされるようです。そんなこともあり、江戸時代には江戸城の西側に白虎の描かれた門があったそうで、それが現在の虎ノ門あたりだとされています。
鎌倉も幕府のあった時代にこの思想が入っていたら、西御門という地名は、虎ノ門になっていたかもしれませんよね。

さて漢方薬にも虎の名のつくものがあります。白虎は五臓のなかで肺の守護神と考えられ、肺の症状、すなわち咳などに効く漢方薬の処方に「五虎湯(ごことう)」というものがあります。この薬は、咳の症状とともに、口(のど)がかわいたり、発汗をともなう場合に使われることが多いようです。

漢方薬では咳に効く処方も、症状によっていろいろありますが、名前に虎のつく処方は五虎湯くらいです。
単に咳と言っても、コロコロとした痰が出るかどうか、ヒューヒューいうかどうか、ゴボゴボいうか、のどがイガイガしてむせるような咳か、などなどその病状によって選ぶ処方が異なります。薬局などでお求めの際は、どういう咳が出ているか、体質的にどうかなど、よく相談していただいた方が良いと思います。パッケージを見るだけだと、効能として咳、としか書いていないものも多いのですが、漢方の場合は、咳の状態によって薬が異なることが多いので、自分だけの判断で薬選びをしてしまうと、失敗してしまう可能性もありますから注意が必要です。

大倉薬局
鎌倉市雪ノ下3-8-32 t/f 0467-22-0394

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