くすりすく Vol.18
2010年カジュ通信 春・初夏号より

「くすり」と「りすく」はうらがえしの関係です。
正しく使わないと「くすり」は、身体「りすく」になりかねないものです。
薬に関することを「つれづれなるままに」書いてみたいと思います。
リクエストなどありましたら、是非ご連絡ください。
by 高梨 真光
歌舞伎と薬のはなし
歌舞伎の歌舞伎座公演も4月でファイナルということで、随分と盛り上がっていたようですね。私も最近歌舞伎を良く観るのですが、今回は歌舞伎に出てくる「薬」の話を書いてみましょう。ただ、あくまでも「お芝居」ですから、当時の様子がそのまま再現されているとは言えないかもしれませんが。。。
歌舞伎の作品の中で薬が出てくるものの代表といえば、鶴屋南北作の「東海道四谷怪談」ではないでしょうか。「お岩さん」があのような恐ろしい姿になってしまったのも、お産の後で元気が出るように、ともらった薬(実は毒薬)を飲んだからなのです。お岩さんがこの薬を飲むシーンがありますが、いかに薬が貴重なものだったかが、強調して描かれています。紙に包まれた粉薬をまず普通に飲み、茶碗の中へ紙を叩いて残った粉薬を入れ、その茶碗の水を飲み、最後には手のひらまで舐めて、薬を無駄にしないようにと飲むのです。その結果として、お岩さんは顔が腫れ、髪の毛も抜け落ちてあの恐ろしい姿となるのです。当時は粉薬が薬の主流であったことがうかがわれます。お芝居ということもあるのでしょうが、歌舞伎では残念ながら「薬」はどちらかというと「毒薬」など「悪」の小道具として使われることのほうが多いようですね。
ところで粉薬といえば、今は機械で充填した紙袋やアルミパックにされたものがほとんどですが、ちょっと昔までは1回分ずつ、「やく薬ほう包し紙」という正方形の紙に包んで調剤をしていました。これを読んでいる方の中に、知っている、という方はどれくらいいるかなぁ。薬包紙の中央に粉を置き、折り紙の要領で、紙を折り込んで薬が外にこぼれないように包むのです。今では薬局でも粉薬を瓶から必要な分を計るときくらいしかは使わなくなりましたが、薬包紙は今でも薬局にとって大事なツールと言えます。現代の薬が1回分ずつ薬包紙で包まれていた方が、「効くかも」と思えちゃうかもしれませんね。
大倉薬局
鎌倉市雪ノ下3−8−32
℡/fax : 0467−22−0394
e-mail


コメント