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往復書簡(13) 柴田信之さんから塩見麻子さんへ

【テーマ】 出会うということ

塩見様

こんにちは。

長谷にもすっかり人通りが戻りましたね。今年は冬が暖かかったせいで思ったよりも2月の人出もあったようでお店としては一安心でした。

暖かくなったこともあり、店にいるとちっとも歩かないので最近銀行等の用は鎌倉駅まで歩くようにうしています。そうするといろんな人に会います。長谷商店街でこんにちは。油比ガ浜商店街でこんにちは、御成商店街でこんにちは、鎌倉駅でこんにちは、そして長谷に帰って来てただいま!といった調子。街で暮らしているんだ!とつくづく実感します。サラリーマンのときには感じなかった感覚です。商店街、そして「街」って本当に楽しいですね。

そこで今回は最近思うところが多い「出会い」ということにつてい書いてみました。

実は私のMiddlesというお店はある1人のシンガーとの出会いからはじまっています。この出会いがなければその後のすべての出会いもなく、今のこの状況はあり得ないと思っています。この話も書きたいですが、簡単には終わらないので・・・・・・今回は開店後の話をします。

その一つの出会いから始まった今の流れの中で、その次には多くの自営業の方々と出会いました。サラリーマンのころは自営業の方はやはり「特殊」で「自由業」に見えたものです。しかし自営業を始めた今は塩見さんとの出会い然り、周りがすべて自営業になったというくらい自営業者に囲まれています。特殊に見えたその世界はとても当たり前の世界。自分で工夫して自分でお金を得る、というとてもシンプルで当たり前の暮らしをしている人々です。たくさん希望と同じくらいたくさんの不安をもって自営業になろうとしていた自分にとって、自営業の諸先輩方との出会いは今でもとても心強いものでした。

そしてそこからは出会いが出会いを呼ぶ出会いの連鎖の始まりです。

お店で出会うたくさんのお客様の方々。本当にいろいろな年齢、性別、国籍、その他とにかくたくさんの人がお店にいらしてくれます。そこからまた次の出会いが紡がれて爆発的にそのつながりの輪が広がっていっています。その出会いにたくさん刺激をもらい、チカラをもらい、知恵をもらい、勇気をもらって日々前に進んでいるように思います。

塩見さんもお店を始めるきっかけのような出会いはありますか?そして店をはじめてから何かおもしろい出会いはありますか?そして店をはじめてから何かおもしろい出会いはありますか?それらは人に限らず、モノや場所やストーリーでもなんでもかまいません。自分もずいぶんそれを聞かれましたがやはり人のことも興味深々なのです。

長々書いてしまいましたが、いよいよ本格的な春に向けてリスタート。アフリカのものを扱う塩見さんのお店も品物がだんだんと増えてにぎやかになってきましたね。ますます楽しみです。

では店を、商店街を、街を盛り上げて行きましょう。「あそこに行くといいことあるね!」なんて思ってもらえるステキな出会いあふれる場所にしたいものですね。

長谷 先住民族のクラフトショップ

Middles(ミドルズ) 柴田信之

柴田様

こんにちは。

お手紙ありがとうございました。電話やメールで済ませてしまうことばかりの私ですが、長い文章を、「何が書いてあるのかな??」とわくわくして最後まで読む気持ち、久しぶりに味あわせていただきました。

夏が大好きな私にとって、暑くなりそうでならない最近の天気にもどかしさを感じますが、一歩ずつ夏が近づいてきていますね。毎日ビーサンで過ごしたい、海で日焼けしたい、海の家でビール飲みたい・・・頭の中はそんなことばかり考えています。柴田さんはどの季節が一番好きですか?勝手に、きっと柴田さんも夏が好きなはず!と決め付けてるのですが。

さて、お店を始めるきっかけになった「出会い」ですが、たくさんある出会いの中でも一番強烈だった出会いは、パプアニューギニアという国との出会いでした。3年ほど前に、ただ「南に行こう」という思いつきから行った国だったのですが、いくつか行ったヨーロッパの国々では感じたことの無いカルチャーショックのようなものを感じられる旅になりました。最初に行ったゴロカという村ではみんな裸足で歩いていて、毎日毎日、市場でおしゃべりしているか毛糸でバッグを編んでいる。ホテルの人に、みんな仕事をしないの?と聞いたら、仕事をしないのではなくて、仕事が無いんだよ。と言われ、ご飯はどうやって買うの?という質問には自分でタロイモなどを栽培するんだよ。あとは作ったものを市場で物々交換するんだ。と教えてもらいました。なんてシンプルな暮らしなんだろうな、今私は自給自足なんて出来るのかな?と寝る前に毎日考えました。

別の町へ移動する日、友達へのお土産に・・・と毛糸のバッグをいくつか買いに行くと、気がつけば回りは人だかりになっていて、みんな自分の使っていたバッグや帽子を手に「買って、買って」と大騒ぎ。すると一人の女の子が、みんな仕事が無い。あなたは日本で何の仕事をしているの?いくらお金をもらえるの?うらやましい。でもパプアニューギニアには日本人が作ってくれた工場や建物がたくさんあって、みんな感謝しているんんだよと教えてくれました。次に行った、マダンという町では、日本の企業が作ったという工場がいくつかあり、パプアニューギニアの人は、日本人のことが好き、日本は仕事のパートナーなんだ。と何人かに言われました。日本人があまり行かないような国で、こんなに感謝されるなんて・・・・・びっくりしたと同時に、私にもこの人たちと関わることが何かできるのかもしれない、仕事が無いなら、仕事を作るようなことは出来ないのかな・・・・と考えるようになりました。

この時の出会いや感じたことが、今私がアフリカやアジアの物を扱うお店をしようと思った大きなきっかけになりました。

柴田さんのお店では先住民族やフェアトレードの商品を扱っていますが、どんなことを思ってそれらの賞品を扱おうと思ったのですか?きっと深い思いがあってのことでしょう。

お店を始めてやっと二カ月。色々と不安になることもありますが、お客様に「かわいい、使いやすい」と喜んでいただけたときに、少しでも自分が生産者とお客様の架け橋になっていると感じられる喜びにはかないませんね。

よくうちの店にはミドルズさんに行った後に来たというお客様がいるのですが、長谷にかわいいお店がいっぱい出来てうれしいわ、と言ってくださる方がたくさんいます。これからもそう言って頂けるように、がんばりましょうね!!

またゆっくりとお話できること、楽しみにしています。

長谷 JUANA 塩見 麻子

◇プロフィール・・・塩見麻子(しおみあさこ) 1979年生まれ。小学校4年から中学2年までドイツで過ごす。鎌倉市長谷で両親のやっていたアンティークショップをアフリカ・アジア雑貨店に変更し、2007年2月にオープンさせる。現在姉妹でのんびり営業中。

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