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往復書簡(44) 鎌田香さんから八原佳子さんへ 

テーマ:楽しく美味しい時間の不思議

八原 佳子さま

  

こんにちは。

  

すっかり春めいてまいりましたが、お元気にお過ごしでいらっしゃいますか?

  

先日は、お料理教室にお出でいただきありがとうございました。今までは、カジュ祭の時に、お台所で洗い物をしながらお話しするだけでしたが、ゆっくりとお目にかかる事ができ、嬉しかったです。素敵な笑い声に、沢山の元気をいただきました。

   

私は、お料理教室といっても、みんなで作って、みんなで食べるという教室をしておりますが、いつもみんなで作った物を、楽しく美味しく食べる時間はなんて素晴らしいのだろうと感じています。別に美食などではない、ごく普通の食材をちょっとゆっくり丁寧にお料理するだけですが、みなさんが楽しく美味しい時間にしてくださるのです。一時期、週末に食堂もしておりましたが、教室と違い何か楽しくないのです。どうしてだろうと考えてみますと、食堂では、一緒に食べる事が出来ないからだ・・・と気が付きました。みんなで食べる、美味しく食べるという時間が素晴らしいのだと気付いたのです。

   

そして時々、ご一緒にお食事した方が、後になって素敵お話しをしてくださる事があるのです。ずっと気持ちが沈んでいたけれど、あの日から元気が出て一歩踏み出 す事が出来たとか、食欲がなくてあまり食べられなかったけれど、美味しく食べられる様になったとか、食べるという事の考え方が変わった・・とか。そいうお話を伺う  と、きっとその時、魔法がかかったのだなと思うのです。みなさまの楽しいお話しと、 美味しい飲み物、お食事が素敵な事を呼び起こしてくれたのではないでしょうか。

       

珈琲の会を催されている八原さんも、みなさんと美味しい珈琲をいただきながらお話する素敵な時間を過ごされていらっしゃる事と思います。ゆらの会のリーフレットの中には、「話題は自在に こころは自由に 無辺の散歩 想像が羽ばたき 何か が生まれる」という素晴らしい文がありました。美味しく物をいただき、楽しくお話 する中で気持ちが解放され、何かに気付いたり、何かを受け入れられたりするのでしょうか。きっと八原さんも、私と同じ様に素敵な経験をされていらっしゃるのではないでしょうか?

     

みなさんが楽しい美味しい時間にしてくださる、そんなお料理教室で、私が一番たくさん素敵な時間を過ごさせていただいています。人の中に、人と人の間に何かが生まれる・・そんな時間を大切にしてゆきたいと思います。またお出でいただき、楽しい美味しい時間をご一諸させていただくのを、楽しみにお待ちしております。 

                                       

 鎌田 香

 

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鎌田 香: 藤沢市在住・鎌田クッキングスタジオ(無添加で作るベーコン・ハム ・ソーセージの料理教室)主催 ・みんなの稲村プロジェクト(稲村エネルギーカフェ)進行中

       

鎌田 香さま

 

お手紙をありがとうございます。

カジュ祭の時、お台所でのちょっとしたおしゃべりが鎌田さんとの出会いでしたね。

鎌田クッキングスタジオの明るくゆったりした中で、みんなと作るお料理の楽しかったこと。初めての体験後、すぐ次回の予約をお願いしてしまいました。2回目の絶品ベーコンも近い内に我が家に登場~!ということになると思います。ありがとうございました。

お教室でとても印象に残ったのは鎌田さんの塩をつまむ仕草の優しさでした。あの仕草ひとつで鎌田さんのお料理への思いが伝わってきました。このようにして鎌田さんと共にお料理し、お食事をした人たちに何か不思議な力が届けられるだと思いました。私もあの日以来、確かにお料理する心持ちが変わったように思います。子どもの頃、魚屋さんになりたかった私の料理は「男の料理」的な所がありますが、やさしい女性らしさが加味されるかもしれません。もしかしたら鎌田マジックかしらと思っています。

 

ゆっくり丁寧に、しかし手際よく作られたお料理の美味しかったこと。みんなで作り、食べ、そして話をする時間の贅沢さを充分味わいました。夫が主宰している「ゆらの会」に私も時々参加し、ゆっくり珈琲を飲みながら様々な世界に導かれます。鎌田さんの思いと共通するものを感じています。確かに鎌田クッキングスタジオも「何かが生まれる・・・」そう思いました。

私は父の転勤で、小・中・高校を通して10校に在籍しました。高校の転校の時、初めて親元を離れ横浜の親戚の家の一室で暮らしました。慣れない学校からの帰り道、電車から見える家々に灯りが付き始めると、その下で食卓を囲んでいる人々を想像し涙が出てドアの傍から離れられない日が幾度かありました。その内、夜も眠れないほどの蕁麻疹に悩まされるようになりました。医師に「家族と一緒に住まない限り治らない」と言われ、10カ月後、転勤先から戻った家族と鎌倉に住むようになりました。母の手料理と他愛ないおしゃべりが行き交う夕食が戻り、私のひどい蕁麻疹もあっという間に治ってしまいました。鎌田さんのお手紙を読みながら50年前のことを思い出しました。

また温かな笑顔と優しいお料理に会いにいきたいと思っています。

 

八原 佳子

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八原佳子: 鎌倉在住。様々な問題で困っている子ども、若もの、親御さんをサポートするボランティアグループを

横浜で設立、20年間活動。昨年閉会。

昨年から家族・友人のためのクラニオ(頭蓋仙骨療法)お手当て人

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