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往復書簡(45) 八原佳子さんからYUKI☆さんへ

テーマ:カジュ‣アート‣スペースは玉手箱

YUKI☆(工藤有紀)さま

こんにちは。

そろそろ今年二度目のロシアからお帰りの頃ですね。毎年ヨーロッパやアジアの各地で海外公演され、素晴らしい賞を受賞されていることは友人として誇らしい思いです。

YUKI☆さんと初めてお目にかかったのはカジュ祭でしたね。夫の珈琲屋さんの横でYUKI☆さんご夫妻がマリオネットを操っておられたのがご縁の始まり~始まり~。私のボランティア活動の最後の年、YUKI☆さんに随分助けていただきました。発達に偏りがある子どもとペープサートを作ったり、Y市児童相談所一時保護所の子どもと封筒人形を作ったり、大勢の子どもの楽しそうな表情が忘れられません。私は子どもの瑞々しい感性と勢いに心を熱くしました。周到な用意をされたYUKI☆さんのお陰で子どもたちは安心して私たちを受け入れてくれました。本当にありがとうございました。プロ根性のYUKI☆さんに脱帽です。

 私は活動を止め、少しゆっくり・・と思っていましたが、相変わらずの日々です。

夫がカジュ祭で、たなか牧子さんに勧められて受けた加田さんのクラニオ(頭蓋仙骨療法)。夫の勧めで私も受けて1年、とうとう講習を受けて今はお手当て人になってしまいました。日々家族へのお手当てとクラニオの不思議な魅力に取りつかれ修行中(?)です。そう言えばYUKI☆さんにも半強制的に受けていただきましたね。クラニオの会でダントツの最高齢のお手当て人と聞かされ戸惑いと同時に、面白い実験台になるかもと思っています。

 

私にはカジュ・アート・スペースはまるで玉手箱です。いろいろな人や文化に出会うことでワクワクします。小学校入学から社会人になるまで11校に在籍した私の子ども時代によく似ています。転校は辛いことや悔しいこともあり、転校していなかったら・・と思う事もあります。しかし移り住んだ土地の持つ喜びや哀しみを感じ取り、独特の自然や人々との交わりはフィールドワークのようでした。短い間ですがワクワクしながら探検し、走り回り、土地のにおいを嗅ぎ、どの土地も大好きになりました。

 

今を「最後から2番目のステージ」と思っている私は、カジュという玉手箱からの贈物でしばらく遊びます。40年近く前に短期間住んだ二階堂。その時の友人とのご縁の糸がカジュに導いてくれた不思議さを心に留めながら暮らしていきたいと思っています。

YUKI☆さん、どうぞお身体を大切に、愛しい人形劇との蜜月をお楽しみくださいね。

八原佳子

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八原佳子:鎌倉在住。子どもの問題をサポートするボランティアグループで20年間活動、昨年閉会。現在クラニオ(頭蓋仙骨療法)お手当て人。

八原 佳子さま

佳子さん、ただいま!ロシア公演から無事に帰国致しました。

サンクトペテルブルグ(旧レニングラード)にて、白夜初体験の10日間でしたよ~。

先日は暖かいお手紙をどうもありがとうございました。この際白状してしまいますが、 実は私は佳子さんとの出逢いを覚えていないのです。10年前、20年前のアルバムを開けば、そこに佳子さんが写っていても不思議はないような感覚でいました。なので、初めてお会いしてからまだ2~3年と気づいた時にはとても驚きました。カジュ祭に初参加させて頂いた2012年4月、『客席ひとつの人形劇場/ぴぴ☆しあたー』は生まれてまだひと月ちょっとでした。ふつうの人形劇公演とは違って舞台構造上、上演中の私からはお客様の様子や気配を伺うことができません。そんな時、ふわりとかぐわしい珈琲の香りが漂って来て、『ああ、今人形劇を観ている方もこの香りで呼吸をしているのだな』と思えた途端、お客様との一体感を感じることができました。その珈琲を淹れていらしたのが、ゆらの会の八原忠彦さんで、その奥様が佳子さん…というご縁でしたね。

気が付くと、いつの間にか佳子さんに連れられて人形劇のワークショップをしていたり …。ワークショップは「人に何かを教える」という形を取りながら、実は様々なことを『教えられて』います。毎回毎回が私にとって勉強の場でした。「工作は嫌いだったけど、ハマってしまいました!」というこども達からのお手紙は宝物です。そんな貴重な体験を下さった佳子さんにはとても感謝しています。

クラニオの会ではダントツの最高齢お手当て人なんですか??夏と冬にお手当をして頂いた時には、人の手の温かみと、そこから伝わる安心感にみるみる全身がゆるゆるになってウトウトする…という不思議体験をしました。是非またイビキを掻かせて下さい!

カジュ・アートスペースが二階堂で時を紡いで下さるおかげで、私はカジュ祭に参加す る事が出来、佳子さんと出逢って、色々な境遇のこども達に人形劇を教える機会を得ました。また、「ゆらの会」主催にてカジュという古民家スペースでの『薩摩琵琶と人形による語り舞台』をやらせて頂いたことも。掛田商店さんの甘酒付き!で、一般的な公演会場では味わえない空間と人の繋がりによるパフォーマンスをさせて頂く事が出来ました。

そんな『カジュという玉手箱』からニコニコと出てきた佳子さん、これからもあんなことやこんなことをどうぞよろしくお願い致します!

YUKI☆

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人形遣いYUKI☆(YUKI☆ PUPPET WORKS): 鎌倉在住。鎌倉市立御成中学校在学中に人形劇に恋をする。 長い片想いを経て、ようやく作品創りへ。その経緯は「人形劇のおしごと」で検索を☆

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