たねのなか 〜5〜
そとつむぎ(新緑の頃2018。雁、北へ帰る)
*最近、外でつむぐのに、はまっています。
外で過ごすのには絶好の、この季節。
鎌倉近辺は、お寺とか、外でぼーっとできるところがたくさんあって、助かります。
スピンドルと羊毛を、かばんにしのばせてお出かけします。
先日は、海つむぎしてきました。
*海でつむぐ時、ぐーんと伸ばした手の先は、空。
砂浜に落ちていた、大きなクラゲ。ひっくり返していた男の子と、すごいね~と目配せしあって。
波音は、聞こえたり聞こえなかったり。集中→無音。
また今にかえってくる。手を大きく伸ばす今、巻き取る今、羊毛を足す今。
ああ、そうか、つむいでいるのは景色そのものなのか、と気がつきました。
糸にとじこめられ、今が形作られる。
反対に、自分はどんどんからっぽに、透明になっていく感じがしました。
*編み物や織物も、手仕事って、本当に大事ですね。
単純なら、単純なほどいい気がします。シンプル大事。
私にとっては、いとつむぎが、バランスを取るための大切な道具です。
頭の中を整理し、頭から出て、身体を感じる。身体を通して、世界とつながる。
小さいけれどパワフルな、古代からの営み。DNAの中に入っているのを、思い出す。
そしてまた今日も、目的のない糸を、ただつむいでいます。
向井 吏恵(つむぎ) 2018年春初夏号
※いとつむぎワークショップ、不定期で開催しています。興味のある方は、ぜひぜひ、ご一緒しましょう!(詳細は、ブログをご覧くださいね)そとつむぎもできたらいいなとか、思っています。
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