たねのなか 〜6〜
スピナッツ(夏2018。鷹の雛、飛ぶ技を習う)
*「はい、どうぞ。読みたかったでしょ」
にこにこしながら、義母がどーんと置いてくれたのは、七年分の「SPINNUTS」でした。帰国し、夫の実家に挨拶に行った時のことです。もちろん無我夢中!!で、ページをめくりました。
*「SPINNUTS」スピナッツとは、「羊にまつわるあれこれ」が書かれている雑誌です。羊毛を使った手仕事はもちろん、世界各地の織や、環境に配慮した染色方法など、その内容は、多岐に渡っています。初めてこの雑誌を手に取った時、一房ずつ羊毛が留められていたこと、その手間暇を惜しまない想いに、震えたことを覚えています。それが今回、創刊100号を記念して、「羊の本」という形で、一冊の本にまとまりました。大迫力の内容です。羊のことを通して、地球とつながるための手引きだと思います。
*わたくしごとですが、今から10年以上前、スピンドルの円盤部分だけを集めた展覧会、「紡む(つむ)-紡錘車が語る多胡郡」を見に、群馬まで足を運んだことがありました。
紡ぎの師匠である義母に誘われて行ったそこには、弥生時代~平安時代の遺跡から出た、たくさんの、穴の開いた石が展示されていました。文字が彫られているもの、お花のような絵が彫られているもの。昔の人も、今の人も、道具に対する気持ちの変わらなさや、紡ぐこと、繊維を取ること、原点としての人の営みに打たれたのですが、義母がこの企画展を知ったきっかけも、スピナッツの記事だったそうです。私は外で紡ぐ機会があると、この時の図録をご紹介してきたのですが、まさかそれもスピナッツがきっかけだったとは。(つい、数日前にそのことを知りました)。不思議なご縁を、勝手に感じています。
*そしてそして、その「スピナッツ」の発行者・ポンタさんが、7/28(土), 29(日)、京都からわざわざ、ここ鎌倉に来てくださるそうです!!みなさん、大チャンスですよ!!ポンタさんや、その周りのスタッフのみなさんのおかげで、どれだけ豊かな文化が、日本の中で発酵し、芽を出したのか。先を歩いてくださっているみなさんのおかげで、今がある。私も、自分が今できること、地球に対してできることを、再度、自分自身に問い直したいと思います。そして、この一連の流れを作り出してくださったのは・・。やっぱりカジュには魔女が住んで、いますね(笑)
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心地よく集中できる時間を、ご一緒できたら嬉しいです。
向井 吏恵 (2018年夏号)
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