涼子の "お引越し狂想曲"
カジュ通信 2012年 夏号 〜ノーテンキ通信 〜
先月、引っ越しをしました。
サザエさん型家族の引っ越しは、笑えるくらい大変です。
母に至っては、段ボールの谷間生活を本格化しています。谷間から這い上がりたい私は、ガラクタの山と日々格闘しているわけですが、どうしたらよいかわからないものの代表として、写真があります。
うちの町内会では、写真は燃やすゴミで、生ゴミと同じ日に出します。
紙類ではない・・・資源ごみという上等な仲間になれないのです。
これは、心の壁を一つ越える作業を伴います。
思い出をゴミにしなければならないわけです。もはやどこだかわからない海や山、可愛くない私と姉、死んだ愛犬たち、おじいちゃん、誰だかわからない親戚、多分友達だろう人々・・・お別れのときが来たようです。
母は、潔さの証明でもしたいのか、自らの結婚写真を捨てると言い出しました。それなら作りもしない手芸材料の山を捨てろと言ったら、ケンカになりました。
ダンナの荷物にも、結婚当初ケンカの種になった昔の彼女の写真の山が、また別の山も加わり健在です。笑ってしまいます。
結局、山は高くそびえ立ったまま、新居を覆っています。
荒木 涼子
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