たねのなか35
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このコラムを書いている週末に「セヴィニエ夫人の娘への手紙」という舞台に出演させていただくこととなりました。
セヴィニエ夫人というのは、17世紀のフランスにいた貴族の奥さんで、娘フランソワーズに宛てた膨大な手紙が「文学」として評価され、今もフランスはもとより日本でも翻訳本が出版されているというスゴい人です。
夫のセヴィニエ侯アンリは、他人の奥さんを巡って決闘し、早くに亡くなりました。セヴィニエ夫人は25歳という若さで未亡人となり、その後二度と結婚しなかったのだそう。
それが故かどうかは定かではありませんが、愛する娘が嫁いでからというもの、必ず週に二度娘に手紙を送り、そのやり取りは終生続けられたのでした。
その内容からも娘の溺愛ぶりは恐ろしいほどで、そんな熱い手紙を週2回送られてくる娘は相当なプレッシャーだったのではないかと邪推してしまいます。
それらの手紙は送る過程でインターセプトされたのか、なぜかコピーされて密かにサロン内を回覧されていたのだそう。それを知った後も婦人は、回覧されても良いようにとても巧みに手紙を書き続けたのだそうです。
奇しくもそれが後世、文学として評価される所以になったのかもしれません。
僕自身、手紙からメール、そしてチャットへと時代が移り変わる中、手書きの手紙のあたたかさがとても好きで、かなり頻度は減りましたが、今でもここぞというときは下手くそな字で手紙を書いて送ります。手紙という距離感・時間感がなんとも言えず好き。
そんな性分からか、主な通信手段がメールになっても簡略的な表現が苦手で、手紙のような文章を書き、何度も推敲してから送ったり、チャットになっても事務的な要件の時は別として、リプライは遅く、ついメールのような長い文章になってしまう。あたかも一世代ずつ遅れて進んでいるような気がします。笑 一文字で相手に気持ちを伝え、句読点にプレッシャーを感じる今時の若い子とうまくコミュニケーションがとれる日が来るだろうか・・・。
と、ここまで書いてきてふと気がつきました。手紙のようなメールやチャットを送るというのも相手によりけり。心の会話ができる相手には手段を問わず必然メッセージも長くなるのだ、と・・・当たり前の話ですが。
実家を離れて以来、随分母とも手紙のやり取りをしました。メールへの移行も割とスムーズで、携帯メールでも結構コミュニケーションを取れていました。が、歳をとってきて段々とメールの誤字・脱字が目立つようになり、返信が来ないこともしばしば。
電話をすれば良いのですが、電話嫌いな僕はついつい面倒で、逆にふとまた手紙でのやり取りを復活させてみました。するとちゃんと返信してくれるようになり、手紙での距離感・時間感が再び心地よく・・・きっと母も同じ思いだったと思います。しかしやがて「出したんだけど戻ってきちゃって・・・」という電話が来るようになり・・・。
最後に送ってくれたのは「ヴァイオリンとクラリネットのろう画」の絵葉書。いかにも母らしいセレクトの面白い絵で、それは今も机の脇に飾っています。
カジュ通信 2025年夏号 紅月劇団 石倉正英
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根本原理公演「ちのみごぞうし」より(Photo by 山口笑加)

先日、長年の夢であった吸血鬼ドラキュラの役をやることができました。
吸血鬼は、狼男、フランケンシュタインと並ぶ世界三大怪物とも言われていますが、その3人の中で、なんと言ってもビジュアル的に魅力があるのは吸血鬼ではないでしょうか。きちんとした身なりをしたイケメンでプレイボーイ、それでいてニンニクが嫌い、お日様に弱い、鏡に映らないといったキュートな一面も持ち合わせているギャップ萌え・・・。
吸血鬼伝承はメソポタミアや古代ギリシャの時代から世界各地にあり、古代中国の文献にはすでに「吸血鬼」という名前そのものが出てくるのだそう。共通するのは冥界から蘇った存在で、人の生き血を吸うことで生きながらえることができるということ。
現在最も有名な吸血鬼と言えるドラキュラは、アイルランドの作家ブラム・ストーカーがトランシルバニアの民間伝承をもとに1897年に発表した小説で、その後吸血鬼の代名詞的存在になりましたが、その本が出版される80年ほど前、イングランドで「吸血鬼」という本が出版され評判となりました。
当初この小説は放蕩の詩人バイロン卿の作とされましたが、実はこれを書いたのはジョン・ポリドリという医者でした。ポリドリはバイロン卿の主治医であり愛人でした。
火山の大噴火によって北半球全体が寒冷化し「夏のない年」と呼ばれた1816年、スイスのレマン湖畔にあるディオダティ荘という別荘に奇妙な5人の男女が集まりました。そのメンバーは、バイロン卿とポリドリ、そして詩人シェリーとその不倫相手のメアリ、さらにメアリの義妹でありバイロン卿の愛人でもあったクレアの5人です。
寒い長雨が続くレマン湖畔の別荘にこもった5人が、退屈し始めたある夜、バイロン卿が「今宵、皆で一つずつ怪奇譚を書こう」と提案しました。この時バイロン卿が書いた「小説の断片」という短いエピソードを後日ポリドリが小説として膨らませたのが上述の「吸血鬼」だったのでした。ちなみに、この時メアリーが書いたのが後世に残る名作「フランケンシュタイン」。
この歴史的な怪奇小説が二つも誕生した特異な夜は「ディオダティ荘の怪奇談義」として語り継がれ、映画「ゴシック」のモチーフともなりました。
ところで吸血鬼はなぜ他人の生き血を吸うのでしょう。一度死んで血を失った吸血鬼が再び生きるため、常に補充しなければならないのでしょうか(どこかから出血している?)。はたまたアル中ならぬブラッド中で、血を飲まないと禁断症状が出るからでしょうか。後者の方が当たっているように思えますが、今回の芝居の中で吸血鬼が「血を分けてほしい」と言うと、女性が「血液型は?」と問う場面がありました。血液型!? 血液型を気にして女性を襲う吸血鬼は見たことがなかったけど・・・そういえばO型の人は蚊に刺されやすいと聞く・・・蚊はO型・・・?
と、冗談はさておき、今回の作品の脚本を書いた故・岸田理生さんは、劇中、それについてこんな面白い見解をセリフにしていました。
「血は、遠く相隔たるものを結合し、一から他へ感触を伝達しめるための手段となる媒介物なのだ。お前に血を吸われたものはまた血を吸うものとなる。吸血せよ、我が息子! この世にありとあらゆる血を混ぜ合わせ、血のカオスを生み出すのだ。その時、いのちはひとつとなる。血から生まれる戦は消失し、所有は地上から姿を消す!」
案外、世界に平和をもたらすのは吸血鬼かもしれません。
カジュ通信 2025年夏号 紅月劇団 石倉正英
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2025年 カジュ通信夏号
♪AUIA♪
暑い毎日ですが、体を使って気持ち良く声を出して発散しませんか♪
私の教室には「歌を上手に歌いたい」だけでなく、声の悩みで来られる生徒さんもいます。
「大きい声が出せない」「声がかすれている」などなど。
鍛えるには腹式呼吸!というのは良く聞くと思いますが、それに加えて大事なのは上半身のリラックス。
そして重要なのは首から上です!首、顔(頬の筋肉)の柔軟性。そして舌の動き。
これが大人になると意外と出来なかったりします。
日常生活で固くなっていませんか?
顔周りの柔軟により高音が出しやすくなったり、豊かな声が出るようになります。
首を左右に動かしながら声を出してみたり、リップロール(唇を閉じた状態で息を吐き、唇を震わせる)をするのが有効です。
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