四十八茶 百鼠の魅力
秋の織り。
伊と彦さんがフロデュースする刺し子の帯用。
今まで白い帯を納品していたのですが、今回は色付きのオーダー。
イノコヅチでそめた利休鼠。
ちょーっと緑に傾いているところが「利休」なんだそうですよ。
キンモクセイ、ナンテンなどのグレーも、「利休」風味です。
一本の杼で織ると、ヨコ縞が出てしまうので、杼を2本に分けて、2,1,1、2,1,1のリズムでヨコ糸を入れます。
秋の織り。
伊と彦さんがフロデュースする刺し子の帯用。
今まで白い帯を納品していたのですが、今回は色付きのオーダー。
イノコヅチでそめた利休鼠。
ちょーっと緑に傾いているところが「利休」なんだそうですよ。
キンモクセイ、ナンテンなどのグレーも、「利休」風味です。
一本の杼で織ると、ヨコ縞が出てしまうので、杼を2本に分けて、2,1,1、2,1,1のリズムでヨコ糸を入れます。
【学名】 Desmodium paniculatum
【英名】 Panicled Tick-Trefoil
【科】 マメ科
北アメリカ原産の、比較的新しい帰化植物。
とくに関東以西に多く見られます。
多年生ですが、地域によっては冬に枯死するため、1年草とされる場合もあるようです。
(日本古来種の「ヌスビトハギ」の仲間は、近年研究が進み、従来の「ヌスビトハギ属」とは別属とされ、Hylodesmum H.Ohashi & R.R.Mill が属として新設され、新しい「ヌスビトハギ属」とされています。)
和名アレチヌスビトハギは、「荒れ地盗人萩」の意。
1940年に本種を大阪府で採集した、岡山県の植物研究家の吉野善介によって命名されました。
やっと涼しくなってきたので、久しぶりに近所を「植物調べ散歩」してみましたところ、二階堂川の縁に、わっさりと茂ったアレチヌスビトハギの一軍を発見しました。
秋に細かな葉っぱを茂らせ、その先に薄紫の小花を咲かせる様は、たしかに「萩」の風情に重なります。
古来種のヌスビトハギに比べると、華やかな印象。同じ「盗人」でもあちらは「鼠小僧」の感じですが、こちらは「怪盗ルパン」といったところでしょうか。
マメ科独特のサヤのある実をつけますが、そのサヤが特徴的なやまぎり型になっています。
そのサヤに、先の曲がったカギ型の微毛が生えていて、これが体につくと容易にとれない原因。いろーんな来訪者にくっついて、広範囲にタネを運んでもらう・・・だけでなく、この神出鬼没で華麗な大泥棒にはアレロパシー作用もあって、ものすごい勢いで勢力を拡大していきます。アメリカの押しの強さに、負けるな日本の鼠小僧!!
ヌスビトハギの豆は食用になるらしいですが、(といっても小さいので集めるのがやっかいだし、滅多なことでは食べないようですが)、アレチ_の方はそれに関する記述が見当たりません。もう少しサヤが太ってきたら、試食してみますか。
アレロパシーだの、カギ状の毛のあるタネだの、そういう癖のある輩は、染料として優秀な場合が多い。
期待を裏切らず、煮出すと少量でも濃い染液となりました。
アルミ媒染で飴色、銅で濃い目の芝翫茶(しかんちゃ)、鉄でゲキ渋の魅力炸裂の千歳茶(せんさいちゃ)。
そして、そして!
あまった染液をしばらく置いておいたら、なんと真っ赤になっていました!
「おお!」あわてて錫(すず)媒染で試染してみたところ、美しい鴇浅葱(ときあさぎ)が染まりました。
怪盗ルパン、やってくれます。
花言葉は、「略奪愛」「内気」「思案」。
◎参考サイト
・http://ja.wikipedia.org/wiki/アレチヌスビトハギ
・https://matsue-hana.com/
・https://hananoiwaya.jp/
・https://aska-net.
・https://www.shigei.or.jp/
・https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/81520.html
(C) Tanaka Makiko たなか牧子造形工房 禁転載
日曜日のアタシはえらかった。(9/3)