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2007/07/09

2007/07/09

糸へんの仕事

Aosoakaso

表現の手段に繊維を選んだことには、特別な思い入れも、はっきりした理由もはじめはありませんでした。
大体今でも、なんでこんな因果な仕事に身を投じているのか、皆目わかりません。
スタジオには、いろんな人がやってきて、お芝居やったり、踊ったり、コンサートしたりして去っていくのですが、こんなことにも手を出す予定は全然なかった・・・。

「導かれているのよ」と最近ある人に言われたが、そうかもしれません。
でなければ、大した目的意識もなく、高邁な理想もなく、お金も無くて 10年近くも続きませんよね。

続く・・・
人が「繋」がる、「縁」を「結」ぶ、アイディア「練」る、囲まれている色は「緑」だし、なんだ、毎日全部「織」なんですね。今さらですが。

繊維はカラダにも大事です。(笑)

写真左は鎌倉の空き地にわしわしと君臨する、イラクサ、別名チョマ(苧麻)。茎の皮の内側についている繊維をこそげとってできたのが、 苧麻糸です。
写真右は、通称アカソ(赤苧)。これも麻の一種で、チョマが青苧(アオソ) とよばれ、緑っぽい糸になるのに対し、これは茶色っぽい糸ができます。

どちらも大麻とならび日本古来の繊維です。

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フェルト自慢

Khajuibook_669

近年でも一番のお気に入り!!!!フェルトと革のバッグ。

私が作ったフェルト部分に葉山在住の革作家・角辻わかばさんが革で仕上げをしてくれました。

予想もしなかったすばらしいでき。わかばさんの感性と技術はすごいです。(ナンテボキャヒン・・・)

あんまり気に入ってしまったンで、無理矢理自分ものにしてしまいました。

お出かけが楽しい~!

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棉と綿

Khajuibook_745

タイトルの文字、いずれも「めん」と読みます。
まだはじけたばかりの実の状態のものに「棉」の字をあて、種をとった状態の繊維、それから先の撚りの入った状態のものに「綿」の字をあてます。
収穫して種を取り除いた「綿(わた)」は、次に「綿打ち」という、繊維をほぐす作業を施します。
この道具がユニークなんです。

西欧では、カーダ-という、2つひと組のおおきな板状のクシを使って「梳く」のですが、
アジアでは、ハイテンションに張りきった弓の弦をはじきながら繊維をからめ、「ほぐす」のです。
写真の綿打ち機は、鴨川和棉の農場のオリジナルですが、インドのシッキムを旅した時に、同じものを見たことがありました。

日本では、細い竹をたわめて、それに繊維をからめて同じように「ほぐす」道具が使われていたようです。

最初にこの方法をあみ出した人って、どんな人だったんでしょうね。
試しにやらせてもらいましたが、大変な力が必要です。

打った綿は15センチ角ほどに薄く広げて、塗の箸などを芯にしてクルクルと巻き、筒状の「篠(しの)」にします。これで紡ぎの準備は完了です。

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梅雨の露草

Khajuibook_665

この時期、朝家をでて仕事場に向う道ばたに、よく露草(つゆくさ)が美しい青い花をたくさんつけているのを見かけます。

さて、昔から日本ではこの露草の花びらの色素をアルコールに溶かしたものを布に染色の下絵を描く時などに用いていました。
青花液(あおばなえき・せいかえき)といいまして、今でも染織材料のお店には必ずあります。もっとも、今は本物の露草ではなく合成だとは思いますが。

この青花液、なにが都合いいかといいますと、
乾いた布や糸に絵や印をつけた後、染めなどの工程で水に触れると色がきれいに消えてしまうのです。
最初にこれを発見した人はえらいと思いますよ、ほんと。

日本の工芸の発展は、常に身近な自然の恩恵に由来します。
ですから、鎌倉の自然を相手に染織の仕事を続けていくには、「雑草」とひとくくりにされる植物一つ一つを、友として大切につきあう気持ちが、これからも必要です。

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帯一(オビ・ワン)

Obi1

去年の今頃からその年の冬にかけて、4本の半幅帯・一本の名古屋帯を織りました。
半幅のうちの2本は、8寸に織って、半分に畳んで使うタイプ、もう2本は写真の4寸幅のものです。

経糸は絹、麻、木綿などの経縞(たてじま)整経で、そこに 生皮苧(きびそ)とよばれるナマの絹糸を緯に3本引き揃えでいれました。

絹糸は、光沢のあるしなやかなものの代名詞のように思われていますが、精練する前のナマ糸は、麻のごとくゴワゴワでして、これがかなり 魅力的なんです。

中でもこの生皮苧は、あまりお高くとまっていない辛口の日本酒、
モーションかけても全然こっち向かない、ハンサムぢゃないんだけど どうにも気になる無口で骨太ないい男、といった風情の糸でございます。
いいんだなぁ、舌触りというか、触り心地が。(笑)

お蚕さんから糸をとる時は、さなぎの入ったままの繭をお湯で煮て(煮殺すんです)その表面をブラシでつついて糸口を見つけ、そこからスルスルと糸を引き出すのですが、そのときブラシについたクズを集めてつくったのが生皮苧糸なんです。

だから、お蚕さんが糸を吐き出しはじめた「若葉マーク」の質感。

精錬してゴワゴワ(セリシン)をとってしまうと、それはそれはふわふわな 糸になり、これはこれでとてもグーです。

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