梅雨の露草
この時期、朝家をでて仕事場に向う道ばたに、よく露草(つゆくさ)が美しい青い花をたくさんつけているのを見かけます。
さて、昔から日本ではこの露草の花びらの色素をアルコールに溶かしたものを布に染色の下絵を描く時などに用いていました。
青花液(あおばなえき・せいかえき)といいまして、今でも染織材料のお店には必ずあります。もっとも、今は本物の露草ではなく合成だとは思いますが。
この青花液、なにが都合いいかといいますと、
乾いた布や糸に絵や印をつけた後、染めなどの工程で水に触れると色がきれいに消えてしまうのです。
最初にこれを発見した人はえらいと思いますよ、ほんと。
日本の工芸の発展は、常に身近な自然の恩恵に由来します。
ですから、鎌倉の自然を相手に染織の仕事を続けていくには、「雑草」とひとくくりにされる植物一つ一つを、友として大切につきあう気持ちが、これからも必要です。
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