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2007/11/09

ススキ ・ 黄

Susuki01

イネ科の植物、ススキ。
今年、鎌倉界隈では穂が開くのが遅かったように思います。
野原で見かけるイネ科の植物には他に
オギ(荻)、カリヤス(刈り安)などがありますが、
どれも、アルミや錫の媒染で、美しい様々な黄色が出ます。

総称して茅(カヤ)ともよばれます。そう、茅葺き屋根のカヤです。

鎌倉にも十二所(じゅうにそ)に一軒、茅葺きのお家がありましたが、
年々傷みが激しくなって、どんどん朽ちてゆくのを見るのは
つらいものがありました。

今では、カヤを集めることも、それを屋根に組む人手を集めることも
不可能になってしまいましたから、修復には莫大な費用がかかると言います。

昔は、定期的に草刈りをして、茅野(かやの)を意図的に村のそこここで維持していたそうです。
野原は、人が手を入れませんと、どんどん「成長」してしまい、林から森へと変遷していきます。
その里山の林や森も、
人が上手に利用することによって
健康な状態が保たれるのですが、
今では、そこにある豊富な資源が、
私たちの日常生活で生かされることは、
ほとんどなくなってしまいました。
資源は身近なところにあるのに、
わざわざそれに代わる石油製品を買っているのですから
ほんと、もったいないことです。

そんなことを思いながら、
毎年、夏の終わりから晩秋にかけてススキから色をいただいています。
写真は、瑞泉寺にほど近い永福寺(ようふくじ)の跡地のススキ野です。
ここは、定期的に市が刈り込みをするので、
「野原」の状態がうまく保たれています。
10月の初旬から晩秋にかけて時々、葉っぱをいただきにいきます。

ここのススキ野には、ススキと一回り大きいオギが混在しています。

Susuki03

オギは、葉っぱが短く、穂が少し赤味を帯びています。

開ききる前の穂には独特のつやがあって、
そのころの風のわたる野原のさまは、
プラチナ色の波が幾重にもたなびく絶景です。

そんな息をのむほど美しいすすき野も、
もう、あるのが当たり前ではありません。
私たちが意識して残していこうと思わない限り、
年々確実に失われてゆきます。

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