言語外言語
※この記述は、過去にMIXIに書いていたものの転用です。
ここ数年、縁あっていろいろな海外のアーティストとコラボレーションする機会に恵まれています。
その経験が私に、「自分の作品はコミュニケーションの手段になりうるか」ということを考えさせてきました。
言語を越えた言語・・・暗号、記号、符号、リズム、波形、紋、シンボルなど、最近気になるモチーフです。別に、何かをデザインで説明しようというのではなく、私の操る素材や形や色が、ある種の「言語」を形成するか、ということに興味があるわけです。
この試みは2003年にロシアのノボシビルスクで、地元のアーティスト、エレーナ・ベルトロが私に提案してくれたテーマで、私たちは4ヶ月にわたって、英語・ロシア語の壁を"よじのぼり"ながらメッセージをやり取りして、そのお互いの「言葉」を作品におきかえたり、その「言葉」から受けたインスピレーションをそれぞれの仕事で表現したり、ほんとうに全身全霊で相手を知りたい、相手に伝えたい、相手と繋がりたいと思った貴重な体験でした。
ミュージシャンの友人、マヤ・ムガ・モーランがその以前に作曲中の曲の楽譜を見せてくれたことがあります。軽やかに鉛筆で手書きされたその楽譜は長い間私の中で沈澱していて、このロシア・プロジェクトのときに、ある作品となって出てきました。そう、「楽譜」もまた、国境を越えた言語なんですよね。
今年、ドイツ文化センターでウテ・エリザベス・ヘルウィッグと行った展覧会でも、同じ主題のものを作りました。その作品の話はまた今度。
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