ビワ・癒しと救いの赤茶色。
鎌倉界隈で、お庭の一角にうっそうと茂る濃い緑の大木を見かけたら、それはたいていビワ(枇杷)の木です。洗濯板状にナミナミとした葉っぱは、大きいものですと、30センチぐらいのものもあります。
学名はEriobotrya japonicaですが、原産地は中国。バラ科の常緑木ですが、特に刺は見当たりません。3月ごろ、オレンジ色の実がつきます。
仏典、『大般涅槃経』(だいはつねはんぎょう)の中で、ビワの木は「大薬王樹」、ビワの葉は「無憂扇」と呼ばれ、大変優れた薬効があると伝えられていて、昔から、様々に病を癒す植物として知られていたようです。日本には、唐招提寺の鑑真和尚が中国からその効用を伝えたと言われています。特に葉に多く含まれるアミグダリン(ビタミンB17)という物質には、殺菌、抗菌の効果があると言われており、昨今、ビワにまつわる民間療法の人気は再燃していて、各方面で注目されているようです。
工房では、各家庭に植木屋さんが入る今頃の時期、剪定したものから枝葉を貰い受けてよく染めています。昨日、工房の生徒さんのお宅で植木屋さんが切っているというので、いただいてきました。
銅媒染で、美しい茶味の赤を得ます。赤味を強くするには、煮出した液をすぐには使わず、一晩寝かせるとよいようです。一位(あららぎ)、槙の木、珊瑚樹とならんで、なかなか得られない赤を得る貴重な染材です。
煮出した葉っぱや煮出し汁は、お風呂にいれると、体が温まり、肌荒れに効果抜群。
私は、冬に採取した固い葉を焼酎につけて、グリセリンを加えて化粧水をつくっています。アカギレもちの私には必需品です。
花言葉は「温和」「治癒」「あなたに打ち明ける」
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