おつるのお道具・整経台と綾竹
とにかく機織りでは、まず経糸(たていと)の心配をしなければいけません。織りたい布の幅が決まったら、使う糸の太さ、布の厚さや密度を決めて経糸の柄、本数を正確に計算します。
けっこう、デジタルなんざんす。
その後、織りたい布の長さに、織り縮み、機じまいなど、必要な「むだ」の長さを加えて必要な経糸の長さを計算します。
その計算に従って、経糸を準備する工程を「整経(せいけい)」といいます。玉巻き、管巻きなどにした経糸を、整経台をつかって順序よく並べていきます。(写真左)
このとき、1本または2本おきに、糸を2本の突起の間で交互に交差させて「綾(あや)」(あぜ、ともいいます)をつくっておきます。
この部分が、機織り仕事の「心臓」なのです。整経が終わった後、綾の部分は「綾竹」(アゼ棒ともいいます)といわれる二本の篠竹(写真右)に移されて、機に糸がかかるまで大切に確保されます。「織り人は命を落としてもアゼを落とすな」と言われるぐらい大事な部分です。
糸を交差させる、たったそれだけのことなのに、この綾があることによって、どんなに本数の多い複雑な縞の整経でも、経糸がからんだり縞がくるったりすることがないのです。これを考えついた昔の人はすごい!
糸の張りを一定に保ちながらゆったりと糸を回していくのがポイントです。
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