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2008/01/23

2008/01/23

さよなら、球子さん。

親愛なる先輩
最後に貴女の作品を直に見たのは、3年ほど前の葉山の美術館でした。

この美術館はこんなに狭かったかと錯覚するほど、ひしめき合う作品の迫力に圧倒されたのを覚えています。
そのほとんどの作品が、40歳を過ぎてからのものであると聞き二度びっくり。ライフワークだった「面構えシリーズ」も還暦後のお仕事。信じられません。

「落選の神様」と陰口をきかれるほど、長く画壇に認められない時期を過ごされてなお、媚びず、腐らず、他人を批判せずユーモラスなご自分のスタイルを貫かれた、その強さが、ホレボレするほどかっこいい。

夭折して「天才」と呼ばれるのもアリだけど、先輩のように、立ちはだかる様々な試練をモノともせずに103年、生涯現役。これに勝るあっぱれが、ほかにあるでしょうか。

先輩の生きた時代は、女性が絵を描くなどというだけで、後ろ指さされた時代だったはず。戦争も飢えもあったはず。家族の縛りも世間の縛りも今からは想像もつかないほど厳しいものだったにちがいありません。それを踏み越えて画壇に咲きつづけてくださった、その明治女の気骨のおかげで、今の私たちがこんなに自由に創作できる土壌ができたのだと思います。

長い間、ほんとうにお疲れさまでした。忘れません。

貴女の小さな小さな後輩より。

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