仕事は時空を超えて。
やっと、日常が戻ってきました。
昨日は、織の教室の日。「たいそうな冷え込みになるでしょう。」という天気予報にビビって、ストーブのほかに、火鉢や練炭七輪などをがんがん焚きまくって、お部屋を準備。
そうなんです。カジュは古い日本家屋ですからね、そのくらいしないとすきま風がひゅんひゅん入って寒いし、だから、炭を焚きまくっても、誰も一酸化炭素中毒にはならないんですよ。(笑)
生徒さんのお一人が、ご友人のご友人という方から、何やらアヤシい帯状の布を託されてきました。
よく見ますと、丹念に縫い絞りされた一反の浴衣地のようです。
「押し入れの奥から、こんなものが出てきてしまった、と預かってきてしまったんですが・・・。」とのこと。
実に淡々と丁寧に縫われ、絞り上げられています。
絞りは、この染める前の、しぼり上がった状態の布が、とても造形美にあふれているのです。現代美術だよん、これ。
ご家族にも、誰が絞ったものなのか、もはやわからないのだそうです。
好きに染めてよい、ということでしたので、なにかぐっと濃くて深みのある色に染めあげてみたいものです。
糸をほどくまで、どんな柄が出てくるかわかりません。今は亡き、絞り手の方のお心に違わぬよう、いい仕事でおつきあいさせていただきましょう。
遥かな時間や空間を乗り越えて、ようこそ、ここまでいらっしゃいましたね。
染め上がったら、またご報告します。
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