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2009/02/11

2009/02/11

らぶ、メリノ羊!

Sheep01 ( photo from “Woolmark”)


モコモコ羊の代名詞として、広く知られている「メリノ種」。 現在ではオーストラリアのものが有名ですが、もともとはスペインに原種がいました。

その歴史には、諸説があるのですが、キリスト生誕直後のローマで、ローマの羊と、小アジアの羊を、スペインの羊飼いが交配させたのが始まり、という説が有力です。
10世紀にはスペインを支配したイスラム教徒たちにより数が増やされ、また羊毛を使った織物の技術もこの地に栄え、世界有数の羊飼養国、織物輸出国になったのです。

その後12世紀になって、北アフリカの「ベニ・メリノス族」が持ち込んだ羊との交配によってさらに毛質がよくなり、これが、俗にいう「スペイン・メリノ」となりました。

このスペイン・メリノが、大航海時代の強国スペインの財源を支えたのです。コロンブスの遠征費用も当時のフェルディナンド王とイザベラ女王がメリノで得たお金で援助してあげたのだとか。

ところが15世紀になって、イスラム教徒がスペインを追われると、羊飼いや織物の技術者の多くがイスラム教徒だったことからだんだんと衰退の道をたどることとなります。

スペイン・メリノは1786年まで門外不出の扱いで、国外に持ち出そうとした者は死刑、という時代もあったぐらいなのですが、18世紀にはフランス、19世紀にはイギリス、アメリカに戦争の代償に大量に売り渡され、それがついにオーストラリアにたどり着き、より繊細で、より白い品種に改良されます。

独特のヌメリ感があり、弾力性に優れ、水をはじく性質なのに湿気はよく吸収する・・・。紡ぎやすく、フェルトにも最適。繊細な光沢があるのに、コシがあるので、とても用途が広い羊毛です。

原種のスペイン・メリノはオーストラリア産に比べると粗野な感じですが、まだカラードも多く、その独特の野性味のあるコシの強さから、手仕事人には根強い人気があります。

(参考資料: 「羊毛文化物語」/山根章弘 「羊の手帖」/スピンハウス・ポンタ)

カジュ通信2009年・新春号より

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