ホトケノザ・春の若草色
セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ。
言わずと知れた「春の七草」。これを炊き込んだおかゆを正月7日に食べて、一年の無病息災
を願うのが「七草粥」の行事です。
旧暦ですと、1月7日は、2月1日(2009年)。太陽暦では早すぎて、どこにも七草は生えていませんが、2月の頭には、セリはちらほら出ていました。植物の動きで文化行事が決まっていた日本では、政治経済は太陽暦でいいけれど、文化面はもっと旧暦にのっとって行ってもいいような気がしますね。
その春の七草の一つホトケノザが、鎌倉では今、そこかしこに花をつけています。
・・・といっても、実は、七草のホトケノザは、私たちがそれと認識しているものとは別物なのです。
冒頭の写真のが、俗称「ホトケノザ」。もう、こちらの方が市民権を得てしまったようです。
シソ科オドリコソウ属の一年草あるいは越年草。別名、サンガイグサ(三階草)。アジアやヨーロッパ、北アフリカなどにも広く分布します。
日本では北海道以外の本州、四国、九州、沖縄に自生し、道端や田畑のあぜなどによく見られる野草です。本物(?)のホトケノザより、葉の形がよほど「座」の感じがして、それらしいです。
シソ科なので、当然こちらも食べられるかと思ったら、なんと有毒だそうで、注意が必要です。摘みたての花を嗅ぐと、なるほどシソの香りがしますが、しばらく時間をおくと、土臭いような、カビ臭いような匂いに変わります。
匂いにクセのあるものは、たいてい強くてよい色が出るので、ワクワクしながら煮出してみましたところ、透明感のある緑味の褐色の液になり、銅媒染で明るい若草色が染まりました。アルカリ水で煮出せば、もしかしたらカラスノエンドウに負けない美しい緑色が染め上がるかもしれません。ホトケちゃん、侮れません。
ところで、食べられる方の本物のホトケノザですが、実は本名は「コオニタビラコ(小鬼田平子)」とおっしゃいます。お公家さんのお嬢様のようなネーミングですね。
こちらはキク科です。お花は黄色。タビラコさんにはこのほかに、オニタビラコさん、ヤブタビラコさんなどの親戚がいらっしゃいます。この辺ではあまり見ませんが、今度じっくり探してみます。
そうそう、ちょっと葉っぱの形がちがうこちらも、植木屋さんに聞いたらホトケノザと呼ばれるようですね。でも、このブログを見た方からご一報いただきまして、こちらの本名は「ヒメオドリコソウ」と言うそうです。これはたいへん、と、ホトケ様とこちらともう一度染めてみましたところ、ほぼ、同じ色味になりました。
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※この記述に当たりまして、以下のサイトを参考、引用いたしました。 ・ホトケノザ ・http://ja.wikipedia.org/wiki/ホトケノザ |
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コメント
我が庭では
オニタビラコさんは ほぼ1年中 咲いてます♪
ヤブタビラコさんは 今 花盛り♪
コオニタビラコさんは まだ 発見出来ていません。。。
投稿: kaji-G | 2009/04/09 13:44
>Kaji-G
お久しぶりです!
そうですか、咲いてますか!
今度写真送ってくださーい!!
投稿: つる | 2009/04/10 16:01