ドクダミ・気品と慰めの利休鼠
ドクダミ。別名ドクダメ、ジゴクソバ、 毒溜とも毒痛とも綴ります。
英語名は学名からきた "Houttuynia"のほかに、"Dokudami" とも言うそうで、それほど日本を代表する野草の一つと認識されているようです。
実際、北海道の南部から本州、四国まで日本全土の陰地、湿地に普通に自生する多年草で、日本だけでなく東アジアに広く分布しています。
鎌倉でもあちこちで5月始めから葉がでて、6〜7月に白い花を咲かせているのを目にしますね。
名前の由来には、その特有の臭気から、なにかの毒が入っているのではと、ドクダメ(毒溜め)と呼ばれるようになったという説と、「毒はダメ」というほど、様々な解毒作用があるからという説があります。
万病に向く薬草として「日本薬局方」にも記載されている薬草。十種類の効能があることから、 生薬名はその名も「十薬(じゅうやく)」。
特有の匂いのもとはデカノイルアセトアルデヒド。花の部分には有効成分のイソクエルシトリン、葉にはクエルシトリンを多く含みます。
花のついたままの葉・茎を染めたいものの重さの200%〜400%を水から煮出し、染液にします。長時間(1時間以上)煮ると葉がドロドロに溶けてしまうので、濃い色にするときは、量を多くして短時間で煮出した方がよいでしょう。 鉄媒染で美しい海松色(みるいろ)や利休鼠が染まります。
先週、濃染処理した綿糸を染めてみましたところ、気持ちがほっとするような、ちょっと緑味のグレーになりました。見つめているだけで肩こりや目の疲れがとれるような優しい色でありながら、その薬効と同じく、毒気を寄せ付けないような、凛とした気品と力強さがあります。
採取したものを刻み始めると、例の独特の香りが鼻にツンとするのですが、煮出し始めると不思議なことに消えてしまいます。
最近は染めるだけでなく、お茶にしたり(便秘・むくみ・オデキ・動脈硬化・蓄膿症、膀胱炎などに効果が期待できる)、化粧水を作ったりといろいろ試して楽しんでいます。そうそう、トイレに飾っておくと、ニオイ消しにもなりますよ。
天ぷらで食べられると書いてあったのでやってみましたが、正直言って、あんまり美味しくなかったなぁ。
花言葉は「白い追憶」「野生」。まんまですね。(笑)
【ドクダミ化粧水】〜美白、しみ、そばかす、吹き出物に〜
・葉(生) 100〜150枚(120g)
・ホワイトリカー(35度か42度) 180ml
・オリーブオイル 小さじ1
1. どくだみの葉を水洗いして、水気をふきとり、細かく刻み、
2. 半量のホワイトリカーといっしょにミキサーにかける。
3. 茶漉しでこして青汁にする。
4. 残りのホワイトリカーを加えてよく混ぜ、密閉容器に入れて冷蔵庫に。
5. 7〜10日後、植物油(グリセリンでもよい)小さじ1を加えてできあがり。
※この記事を書くにあたっては、以下のサイト、文献を参考にしました。
・http://www.e-yakusou.com/
・http://plant-name.seesaa.net/article/113473811.html
・http://dokudami.takopi.com/
・「続々・草木染め 染料植物図鑑」 山崎青樹/ 著 美術出版社
・「薬草図鑑」伊沢凡人・会田民雄/著 家の光協会
・「山菜 -特徴・採取法・食べ方-」 丸山尚敏・会田民雄/ 著 成美堂出版学名
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