チチコグサ・おとうさん色
同じキク科ハハコグサ属の「ハハコグサ」と対になっている日本在来種の多年草。
葉っぱはよく似ているのですが、ハハコグサには黄色い可憐な花がつくのに対し、こちらは茶色の地味な花が咲きます。花の後、種が綿毛状について飛んでゆきます。タンポポと同じようにロゼッタ状に葉を残して越冬する強い植物です。
今まではカジュの庭ではみたことがなかったのですが、昨年あたりからよく見かけるようになりました。どうやら、E子おねーたまが「ここにも生えたら便利!」とカラスノエンドウの種をまいてくれたのですが、そのときにいっしょについてきたようです。(チチコグサはカラスノエンドウが生えているところによくいっしょに生えている)
そのあまりにも地味な姿が、意外にいい色を出しそうな雰囲気を醸し出していたので染めてみたところ、大当たり! 少ない量で濃い色になり、どの媒染でもホレボレするような渋い粋な色が出ました。
お父さん、いい仕事します。
銅媒染でカーキー色が出たので、アルカリ抽出で緑色がでるのではと思い試してみましたが、中性水のときと結果は同じだった・・・。お父さん、頑固です。
パートナーのハハコグサは別名「オギョウ」「ゴギョウ」といい、春の七草の一つですが、チチは残念ながらその地味な容姿ゆえか仲間入りできませんでした・・・。ハハコグサが薬草としても大いに知られているのに対し、チチはあまり取りざたされませんが、ハハコグサに準じた効能(鎮咳、利尿、抗糖尿など)がしっかりあります。お父さん、目立たなくてもりっぱです。
よく似たチチコグサモドキは帰化植物。
花の形が少し違いますが、文献には同一視したものも多く見受けられ、見分けるのは意外と難しいです。
花言葉は「父の愛情」。
今日は父の日。
・http://had0.big.ous.ac.jp/index.html
・http://ja.wikipedia.org/wiki/チチコグサ
・http://www.hana300.com
・http://www2.mmc.atomi.ac.jp/
・「季節の野草・山草図鑑」高村忠彦/監修 日本文芸社
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