トキワツユクサ・雨の色
梅雨に入ると、鎌倉でもあちこちに青い花をつけたツユクサが目につくようになります。
よく観察しますと、中には白い花をつけているツユクサ風情の草が。これがトキワツユクサです。
明治時代に観葉植物として南米から輸入され、今では日本各地で自生するようになりました。
別名・ノハカタカラクサ(野博多唐草)、ナンバンツユクサ(南蛮露草)。
学名 「Tradescantia flumiensis」。
「Tradescantia」は ムラサキツユクサ属、「flumiensis 」は 「リオ・デ・ジャネイロの」を表しています。(原産はブラジル、アルゼンチン)
Tradescantia(トラデスカンティア)は17世紀、イギリスのチャールズ1世に仕えた庭師 ジョン・トラデスカントJohn Tradescant(1608-1662)の名に由来するそうです。
この植物はたくさんの英語名がありますが、数ある英語名の中で比較的通りのよい「Green Wandering Jew」。
この「Wandering Jew (さまよえるユダヤ人)」は、刑場に引かれていくキリストを侮辱した罪で、最後の審判の日まで世界を流浪する運命を与えられたという13世紀の伝説上の人物のことで、なぜこの可憐な花にこの名前が与えられたのか、どうにも想像がつきません。いきさつをご存知の方は、ぜひ、ご一報ください。
梅雨時期に花弁が3枚のかわいい白い花が咲きます。花は全く違いますが、葉や茎を見ると、露草の仲間であることが容易にわかります。
友人宅の庭に見かけたトキワツユクサを少しいただき、
煮出してみました。
水分を多く含有するせいか量があってもあまり濃い色にはなりませんが、どの媒染でも、そぼふる初夏の雨を思わせる色に上がりました。
花言葉(=ツユクサ)は、「小夜曲」「尊敬」「わずかな楽しみ」「恋の心変わり」。
参考サイト/文献
・http://had0.big.ous.ac.jp/index.html
・http://www.e-yakusou.com/
・http://www.hana300.com/
・http://members.jcom.home.ne.jp/tink
・http://holidaze.blog.eonet.jp/memo/cat3739334/index.html
・「薬草図鑑」伊沢凡人・会田民雄/著 家の光協会
・「新英和中辞典」 研究社
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コメント
うわ~。

すごく素敵な色ですね
トキワツユクサ探してみます
投稿: なかむらみか | 2010/07/06 16:55
>みかちゃん
トキワツユクサは、注意してみるとけっこういろんなところに生えていますよ。
お花がとてもかわいいです。
投稿: つる | 2010/07/06 17:35