ネズミモチ・滋養強壮の焦げ茶色
【学名】 Ligustrum japonicum
【英名】 Japanese privet
【別名】 タマツバキ
【生薬名】 女貞(じょてい=樹皮、葉) 女貞子(じょていし=実)
【科】 モクセイ科
学名の「Ligustrum(リガストラム)」は、ラテン語の 「ligare(縛る)」が語源。 この植物の枝で物をしばったことに由来します。
和名は、葉がモチノキに似ており、実がネズミの糞のようであることから。
生薬で女貞子(じょていし)と呼ばれる果実には、トリテルペン、マニトール、脂肪酸など含有。強心、利尿、緩下、強壮、強精薬として古くから用いられています。
内臓の諸器官を丈夫にするとし、肝臓、腎臓、腰膝を強くして、精力も養い、若白髪、月経困難にも効き目があるとされています。
果実を1日量5〜10gを煎じて3回食間に服用、または、果実200g、同量の砂糖、ホワイトリカー1.8リットルに漬けて6ヶ月程度保存、布でこした果実酒を1日3回20ミリリットルずつ飲みます。
鹿児島地方では、田の神・農耕の神としてこの木を大黒様に奉納する風習があり、大黒様の木という意味で、このネズミモチは「デコッサーノキ」と呼ばれ、親しまれているそうです。
カジュには鳥の糞が種を運んで発芽したものが知らない間に成長し、今では大木が2本、小さい木
が2本あります。その成長の速さがねずみ算的で、圧倒されてしまいます。
あまりに身近な上、「ネズミ」かい、とちょっと軽く見ていたのですが、これほどの薬効のある植物、しかも神様に奉納されているとは露知らず、たいへん失礼いたしました・・・。
剪定時に枝葉で折々染めています。液はあまり濃い色にはなりませんが、色はどの媒染でも濃く、安定した美しい黄色、朽ち葉色、焦げ茶などを得られ、重宝です。
ネズミモチでは花言葉が見つからなかったのてすが、英語名のprivetがイボタノキを表しており、
このイボタノキの花言葉は「禁止」です。・・・なにを禁ずるのでしょうね。(笑)
花言葉は「名より実」。ネズミモチの実で冬の季語。
◎参考サイト/ 文献
・http://had0.big.ous.ac.jp/index.html
・http://www.hana300.com/
・http://www.e-yakusou.com/
・「よくわかる樹木大図鑑」平野隆久/著 永岡書店
・「続・草木染め 染料植物図鑑」 山崎青樹/ 著 美術出版社
・「続・ウールの植物染色」 寺村 祐子/著 文化出版局
・「よくわかる樹木大図鑑」平野隆久/著 永岡書店
・「続々・草木染め 染料植物図鑑」 山崎青樹/ 著 美術出版社
・「新和英中辞典」 研究社
(C) Tanaka Makiko たなか牧子造形工房 禁転載
| 固定リンク | 0
「鎌倉染色彩時記(染)」カテゴリの記事
- オニタビラコ・姐さんはウグイス色(2025.04.16)
- ナラタケモドキ・日陰者の白橡(しろつるばみ)(2024.12.19)
- タンキリマメ・日常の幸せは藍海松茶(あいみるちゃ)(2024.12.18)
- シャガ・蝶の化身は青丹(あおに)色(2024.12.12)
- ウイキョウ・妖怪召喚の蒸栗色(むしぐりいろ)(2024.11.29)
コメント