イヌタデ・お役立ちの黒緑
【学名】 Persicaria longiseta
【英名】 longstyle smartweed, Inutade
【別名】 アカノマンマ、アカマンマ、ハナタデ、ウズダテ
【生薬名】 馬蓼(ばりょう)
【科】 タデ科
北海道から沖縄にまでよく見られる一年草。
千島・樺太・朝鮮・中国・ヒマラヤなどにも広く分布します。
学名のPolygonum(ポリゴナム)は、ギリシャ語の 「polys(多い)+gonu(節)」が語源。 茎の節がふくらんで関節のように見えることから。
longiseta は「長い刺毛の」 、 Persicaria は、「persica(桃)に似ている」の意味。(葉が桃に似ていることから)。
6月頃から晩秋ぐらいまで、かわいい赤い花が楽しめます。
鎌倉でも、梅雨に入る頃から赤い花が木陰や野原に目立ち始めますね。「雑草」というにはあまりに花が可憐なので、工房ではよく室内に活けて楽しんでいます。
この赤い花を集めてお赤飯に見立てて、子どもがままごとをしたことから「アカマンマ」の別名がつきました。
このごろでは、あまりそういう遊びをしている風景に出会わないのが、ちょっと寂しいです。
アカマンマは今も変わらず私たちの身近にたくさん生えているのですが・・・。
「馬蓼(ばりょう)」という名の生薬でもあり、食あたりや胃炎に効能。また、虫さされにも効くといいます。
「タデ食う虫も好きずき」といわれるほど、独特の苦みがあるのは、ヤナギタデ。こちらは香辛料として日本では古くから使われています。
辛味がなく、役に立たないタデを総称して「イヌタデ」というわけです。
それを受けてかどうか、花言葉は、「あなたのために役立ちたい」。
煮出すと少量で濃い液が作れました。
どの媒染でも堅牢な色に染まりました。特に鉄媒染の緑味の黒緑が美しいです。
十二分に、役立ってくれています。
参考サイト/文献
・http://had0.big.ous.ac.jp/index.html
・http://ja.wikipedia.org/wiki/イヌタデ
・http://www.hana300.com
・http://ameba.i.hosei.ac.jp/bidp/makinocd/
・http://members.jcom.home.ne.jp/tink/
・http://www.e-yakusou.com/
・http://www.noble.org/
・「季節の野草・山草図鑑」高村忠彦/監修 日本文芸社
・「原色牧野日本植物図鑑 コンパクト版 1」 北隆館
・「和漢薬」赤松 金芳 / 著医歯薬出版株式会社
(C) Tanaka Makiko たなか牧子造形工房 禁転載
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