ホソバノアキノノゲシ・幸せな山吹色
【学名】 Lactuca laciniata Makino forma indivisa Makino
【英名】 sow thistle
【別名】 ケシアザミ(=ノゲシ)
【科】 キク科
アキノノゲシは日本各地、東アジア、東南アジアに広く見られる多年生草本です。道路端などの荒地や野原などに生育し、夏の終わりから秋まで次々とやさしい黄色の花を咲かせます。葉の形には変異があり、写真のように細長くギザギザのないものをホソバアキノノゲシといい、アキノノゲシは葉が羽状に 分裂しています。(アザミに似ている)
近年はこのホソバのタイプが多く見かけられるようになってきたといいます。茎が傷つくと乳液を分泌します。学名のLactuca は、この葉や茎から出る乳(lac)に由来します。
種子は冠毛を持っていて、タンポポのように風にのって運ばれます。
秋に芽生え、ロゼットで
越冬。初夏まではあまり伸びませんが、花を咲かせる頃から次第に草丈が高くなり、高さ1.5m以上に生長することもあります。
二階堂の永福寺跡地にも、秋になるとこのやさしい黄色の花がたくさん見られます。たしかに、ここの野原もホソバがほとんどですね。
アキノノゲシ(Lactuca indica)とともに、3~4月ころの、若芽、若葉を摘み取り、塩茹でしてから水にさらして、和え物、おひたし、油いため、早春や日陰の若芽は、レタスのようにサラダで食べるられます。が、6月頃になると苦味が強くなるようです。
ヨーロッパでは肝機能の改善のために全草をお茶にして服用したり、茎のジュースを下剤として利用したり、また、乳液に含まれるゴム成分がアヘン中毒の治療に使用されたりしたそうです。
確かに英語名のthistle(シスルー)のつくものの中でmilk thistle(=ノアザミ)は、西洋生薬では肝臓病の治療薬として有名です。
ノゲシの仲間にはほかに「ハルノゲシ」、ノゲシより大型で、葉の羽裂が深く硬い「オニノゲシ」があります。
花の時期に全草を煮出したところ、たいへん濃い液となり、アルミで赤みの濃い黄色、銅で黄色みの茶、鉄で蝋色になりました。ウールの山吹色が特に美しく、みているだけで心が浮き立つようです。
アキノノゲシで花言葉は、「控え目な人」「幸福な旅」。
参考サイト/文献
・http://members.jcom.home.ne.jp/tink
・http://www.hana300.com/
・http://www.e-yakusou.com/
・http://had0.big.ous.ac.jp/
・http://ejje.weblio.jp/
・http://www.pfaf.org/
・「原色牧野日本植物図鑑 コンパクト版 3」 北隆館
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