シュロ・いつでも刈安色
中国原産のヤシ科の常緑高木。 日本には、大きく成長するワジュロ(和棕櫚)と比較的小振りなトウジュロ(唐棕櫚)があります。
雌雄異株で、雌株は5〜6月に葉の間から花枝を伸ばします。幹を覆うシュロ皮からは、水に強い繊維がとれることは昔からよく知られていて、縄や帚の材料として日本の生活にはなくてはならないもので した。
工房の庭には、トウジュロの株が6,7株ありまして、緑の少ない冬には葉を玄関のツボ活けに用いたりしていますが、以前、剪定した茎・葉で染めてみたところ、すずやアルミの媒染で美しい黄色のバリエーションがでました。シュロは一年中葉が蒼々と茂っているので、いつでも黄色が染まって重宝しています。
いくら煮ても、煮くずれることはなく、凛としたその姿に似た、潔いすっきりした印象の色です。俗にいうカリヤス色という黄色がよく出ます。
シュロは各種を薬用にもします。葉を乾燥したものを棕櫚葉(しゅろよう)、果実を乾燥したものを棕櫚実(しゅろじつ)、4〜5月ころの雄花と雌花の若い花穂(かすい)を乾燥したものを棕櫚花(しゅろか)、葉鞘(ようしょう)の基部で幹にまきついている皮を乾燥したものを棕櫚皮(しゅろひ)、根を乾燥したものを棕櫚根(しゅろこん)呼び、さまざまに使います。
棕櫚葉(しゅろよう)、棕櫚実(しゅろじつ)、棕櫚花(しゅろか)は、すべて高血圧に効き目があり、脳出血の予防や高血圧の治療に茶剤として民間で用いられています。
各、棕櫚葉(しゅろよう)1日量6〜15グラム、棕櫚花(しゅろか)1日量5〜15グラム、棕櫚実(しゅろじつ)1日量8〜15グラムに水0.4リットルで煎じて2分の1量まで煮つめて1日3回に分けて食間に服用します。
棕櫚皮(しゅろひ)と棕櫚根(しゅろこん)は止血薬として用い、鼻血の止血には黒焼きにしたものを直接鼻の穴に入れると効き目があるとされていますが、いかに・・・。
中国では、トウジュロをシュロと同様に薬用に用いますが、そのほかに心材(しんざい)を強壮薬としても用いているそうです。
花言葉は「勝利」「不変の友情」 。
この記述は以下のサイトを参考にしました。
・http://www.e-yakusou.com/
・http://www.hanakotoba.name/
・http://www.floword.net/2005/09/post_342.html
(C) Tanaka Makiko たなか牧子造形工房 禁転載
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