ノブドウ・鎌倉の秋色
【学名】 Ampelopsis brevipedunculata Trautv
【英名】 Wild grape, Porcelain berry, Porcelain Ivy
【別名】 ザトウエビ
【生薬名】 ジャホウトウ(蛇葡萄)
【科】 ブドウ科
ススキの穂がプラチナ色になる頃、鎌倉の里山ではノブドウの実を見ることができます。ヤマブドウとはちがい、ブドウ、と呼べるほど「房」にはなりません。小さな実がプツプツと緑の間に飛んでいる感じです。
ヤマブドウはそのまま食べられますが、ノブドウは残念ながら食用になりません。が、ノブドウ酒にして薬として用いることはできます。
実が大きく肥大して、一粒一粒異なった美しい赤や紫の色合いをしている場合は、ブドウタマバエやブドウトリバガなどによってできた「虫こぶ」です。これを特に「ノブドウミフクレフシ」といいます。その七色の虫こぶは、まさに野の宝石の風情。
これを別名で「ザトウエビ」。この虫こぶ化した実を、座頭(盲人)の眼球の色に見立て、「盲人の眼球に似た実をつけるエビヅル」という意味からきているそうです。
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茎葉、根茎を、秋に掘り取り、水洗いして小さく刻み日干しにして乾燥させたものを生薬(しょうやく)で、茎葉を蛇葡萄(じゃほとう)、根を蛇葡萄根(じゃほとうこん)といい、関節痛などには、煎じて服用するといいといわれています。
【ノブドウ酒】:ノブドウ300〜500g、氷砂糖500g,焼酎1.8リットルを漬け込んで、約6ヶ月冷暗所におき、材料を引き上げる。糖尿病、肝臓病、腰痛・関節痛などに効き目があるといわれます。 「和漢三才図絵」にも「人は好んでこの子(実)で酒をつくる。」の記述が見当たります。
つると葉を煮出してみたところ、アルミで芥子色、銅で麹塵 (きくじん)色、鉄で緑味の焦げ茶。どれもほっこりした鎌倉の秋の色合いです。
俳諧では、秋の季語。
花言葉は「あなたに頼みます」。
参考サイト/文献
・http://www.e-yakusou.com/
・http://members.jcom.home.ne.jp/tink
・http://www.hana300.com/
・「虫こぶ入門」薄葉 重/著 八坂書房
・「薬草図鑑」伊沢凡人・会田民雄/著 家の光協会
・「原色牧野日本植物図鑑 コンパクト版 3」 北隆館
・「和漢三才図絵」 第90巻
(C) Tanaka Makiko たなか牧子造形工房 禁転載
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