セイタカアワダチソウ・若草色は自滅の序曲
【学名】 Solidago canadensis, Solidago altissima
【英名】 Canada goldenrod
【別名】 セイタカアキノキリンソウ
【科】 キク科
花粉症などのアレルギーを引き起こす元凶のように言われていますが、実はよく似たブタクサ(クワモドキ)と混同されているいるだけで、全くの濡れ衣!!
ブタクサは花粉を風が運びますが、セイタカは虫が運ぶので、風に舞うことはほとんどないのです。セイタカさん、ごめんなさいっ。
マリーゴールドなどで知られているアレロパシー(allelopathy =多感作用)。ほかの植物の発芽を抑制する化学物質を出して、自らの種の勢力を保つ力のことをいいますが、セイタカアワダチソウは、その強いアレロパシー作用によって、大きな群生になりやすいのです。ふむふむ、確かに初夏から晩秋にかけて、野原の覇道をススキと争っている感じですねぇ。
ところが、あまりにも大きな群生に成長すると、今度は自らのアレロパシー作用で自滅してしまうのです!!
天敵知らずの強いものは、自分が一番の敵になってしまうということですね。・・・人間みたい。
アレルギーの元凶という濡れ衣を脱いでみれば、実は昨今、ぜんそくやアトピーへの効能が注目されているというから驚きです。
茎・葉はもちろん、開花前の花穂の蜜の中に酵素が多くあるそうで、
開花直前のものを採取して水洗い、陽干し、刻んで、紙袋など通気性のあるもので保存。これを入浴剤として用いることで、アレルギー性皮膚炎などへの効果が期待できます。
染めには茎・葉を用いますが、アルミ媒染で、夏の初めはやや緑がかった透明感のある黄色、秋口は深みのある黄色となります。
煮出すと、キク科独特の、きりりとした芳香が漂い、気持ちがすっきりします。確かにぜんそくには効きそうな感じ・・・。お風呂に入れるのもよいです。
花言葉は「元気」「生命力」「威張らないで」
参考サイト/文献
・http://www.e-yakusou.com/
・http://www.kusaki.net/
・http://www.hanakotoba.name/
・http://www.ffj.jp/hanakotoba/index.htm
・http://had0.big.ous.ac.jp/index.html
・「草木染め 染料植物図鑑」 山崎青樹/ 著 美術出版社
・「薬草図鑑」伊沢凡人・会田民雄/著 家の光協会
・「季節の野草・山草図鑑」高村忠彦/監修 日本文芸社
・「アレロパシー」E. L. Rice/著 学会出版センター
(C) Tanaka Makiko たなか牧子造形工房 禁転載
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