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2013/11/19

キツネノボタン・毒草の闇色

Kitsunenobotan01

【学名】   Ranunculus silerifolius
【英名】   Buttercup
【別名 】       コンペイトウグサ
【生薬名】 キツネノボタン
【科】   キンポウゲ科 

日本各地の湿気の多い所に自生する多年草。
葉っぱが牡丹に似ているが、それを裏切るような黄色い小さな花が咲きます。また、初夏に花が咲いたあとにできる実がコンペイ糖に似ていることが別名「コンペイトウグサ」の由来です。

「キツネ」と名のつく植物には毒のあるものや味がきつくて食べられないものが多くあります。これはキツ=きついを表しているからだそうで、このキツネノボタンも毒草のくくりに入ります。

学名にもあるように、汁液に「Ranunculin(ラヌンクリン)」という物質が含まれており、これが空気に触れると「プロトアネモニン」という物質に変わる。これが皮膚に付着するとひどくかぶれるので、採取は素手で行なわないように注意が必要です。
薬として「扁桃炎に、生葉を大豆粒の大きさに切って片方の腕の手首の内側に貼り、軽く包帯を巻き5〜10分したら取り去る」という民間療法も伝えられていますが、素人は行なわないほうがよいでしょう。

写真は5月中旬に東御門を流れる二階堂川支流のコンクリートべりに咲いていたもの。
鎌倉では谷戸(やと)の湿り気の多い崖や森によく見ることができます。

ケキツネノボタン(R. cantoniensis)、コキツネノボタン(R. chinensis) 、シマキツネノボタン(R. sieboldii)、トゲミノキツネノボタン(R. muricatus)などの仲間があり、コキツネノボタンが「神奈川県レッドデータブック2006」で絶滅危惧ⅠA類に入っています。

花の咲いている時期に花、茎、葉を煮出したところ、少量でとても濃いベンガラ色の染液がとれました。アルミ媒染でウールが鮮やかな黄色、鉄では闇のような暗黒色になりました。毒草、やはり裏切りません。(笑)

花言葉は「騙ましうち」「ひとりぼっち」。

参考サイト/文献

http://www.e-yakusou.com/
http://had0.big.ous.ac.jp/index.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/キツネノボタン
http://www.e-tanzawa.jp/rdb06/
http://www.geocities.jp/powderroom8520/poisonous.html
http://yasousuki.exblog.jp/6801777/
http://gogen-allguide.com/
・「季節の野草・山草図鑑」 高村忠彦/ 監修 日本文芸社
・「よくわかる大図鑑」今井國勝・今井万岐子/著 永岡書店

(C) Tanaka Makiko    たなか牧子造形工房  禁転載

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