ミズヒキ・きりりと野にたつ黒緑
【学名】 Polygonum filiforme,(Antenoron filiforme)
【英名】 Jumpseed
【別名】 ミズヒキソウ
【生薬名】 キンセンソウ(金線草)
【科】 タデ科
日本全国、朝鮮・中国・インドシナ・ヒマラヤなどに分布する多年草。
学名のPolygonum(ポリゴナム)は、ギリシャ語の 「polys(多い)+ gonu(節)」が語源。 茎の節がふくらんで関節のように見えることから。
ミズヒキの名は、すらりとのびた花穂に転々とつく4弁の花(実はガク) の下半分が白、上半分が赤で、花穂全体を下から見上げると白、上から見下ろすと赤のラインに見えることから、それを紅白のミズヒキに例えたのが由来です。
※ミズヒキ・・・こよりに米糊(のり)を引いて干し固めたもの。これを三本または五本並べて固めた もの。贈り物の飾りひもとする。慶事・弔事など用途に応じて、用いる色や結び方に決まりがあります。慶事は奇数、弔辞は偶数にするのが正式ですが、最近は機会で作っているせいでしょうか、文具店で売っているご祝儀袋、慶事用も弔事用も数が同じですね・・・。
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鎌倉では早い年は梅雨時から、秋口ぐらいまで弓なりの赤い花萼の線が地を躍り、野をことほぎます。
中国ではキンセンソウ(金線草)の名で古くから利用されてきた生薬で、花が咲いている時期の8から10月頃に全草を採取して、水洗いしてから、刻んで、天日で乾燥したものを煎じ、これを服用して止血、鼻血、内出血などを止めて、腰痛、胃痛の痛みを緩和する妙薬として用いられていました。
西欧では近種のPolygonum virginianumの葉や種子が化粧水や利尿剤の材料として用いられるといい、また葉の煎じ液をハリエンジュの樹皮の煎じ液、蜂蜜といっしょに服用して百日咳の薬とするという記述も見あたります。
タデ科の植物は「タデ食う虫も好き好き」の例えの通り、どれも虫も食べたがらないほどの独特の苦みやエグミがあるとされます。
これは、染料として堅牢な色を得られる要素で、ミズヒキも少量で濃い染液を得ることができました。
ですが、鎌倉で見かけるミズヒキの葉には、虫食いの穴がよく見られ、虫も、鎌倉産ともなりますと、「苦くても食す」というような武士の意地があるようでごさいます。
どの色も力強く、とくに鉄で媒染した黒緑が凛とした輝きを放っていました。
俳諧では、「毛蓼(けたで)」の名で秋の季語。
花言葉は、「慶事」「祭礼」「虚勢」
10/17の誕生花。
参考サイト/文献
・http://had0.big.ous.ac.jp/index.html
・http://ja.wikipedia.org/wiki/ミズヒキ
・http://www.hana300.com
・http://newpfaf.webhost4life.com/
・http://members.jcom.home.ne.jp/tink/
・http://www.e-yakusou.com/
・「季節の野草・山草図鑑」高村忠彦/監修 日本文芸社
・「学生版 牧野日本植物図鑑」 牧野富太郎/著 北隆館
(C) Tanaka Makiko たなか牧子造形工房 禁転載
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