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2014/01/31

タンポポ・ほろ苦い麹塵 (きくじん)色

Shirobana_tampopo01

【学名】
      ・Taraxacum platycarpum Dahlst(カントウタンポポ)、
      ・Taraxacum officinale(セイヨウタンポポ)、
      ・Taraxacum albidum Dahlst(シロバナタンポポ)
【英名】   Dandelion
【別名】  鼓草(つづみぐさ)、薬菜(くすな)、藤菜(ふじな)、たな(田菜)
【生薬名】 蒲公英(ほこうえい)
【科】   キク科

 

学名のTaraxacum(タラクサカム)は、 アラビア語の「tharakhchakon(苦い草)」またはペルシャ語のタルフ・チャコーク(talkhchakok)が ラテン語化したものが語源。
和名は「タンポ穂」が語源という説や別名の「鼓草」(茎の両端を細かく裂くと、そり返って鼓のような形になるから。)からその鼓の音 「たん、ぽんぽん」の略からきている、という説があります。
ギリシャ語の「タラキス(不安)」と「アケオマイ(治す)」を組み合わせたものという説明もあります。

葉、茎、根ともに薬効が高い民間薬。各種ビタミン、ミネラルが多く含まれ、発汗、解熱、健胃、健肝、ブドウ球菌、チフス菌などに対する抗菌作用などの効能があります。

冬になると、葉がロゼット状(葉が放射状に広がって地面に張りつく形になる状態)になり、越冬すします。少しでも暖をとれるように、それこそピッタリと地面に張り付く姿は、健気でさえあります(笑)。

若葉はサラダやおひたしに(「ぐりとぐら」の絵本にも、タンポポの葉っぱをつかったサンドイッチがでてきますよね。)、花は天ぷらや三杯酢で和え物に、根は煎じてお茶がわり、またはコーヒーの代用として飲用できます。俗にいう「タンポポコーヒー」です。

【タンポポ・コーヒーの作り方】
・秋口、種ができたあとのタンポポの根を丁寧に掘り出し、よく洗う。
・包丁で5〜6mmぐらいの輪切りにする。
・風通しの良い場所で1週間ほど乾燥させる。
・焙烙、またはフライパンで色が茶色くなるまで煎り上げる。
・ミル、またはフード・プロセッサーで細かく粉状に挽く。
・煎りが足りない場合は、挽いた後で、もう一度煎る。

花言葉は、「思わせぶり」「いなかの託宣」「真心の愛」「神のお告げ」「別離」「軽率」「思わせぶり」「明朗な歌声」
「明るい笑顔が好き」(カントウタンポポ)
「私を捜して、そして見つめて」(シロバナタンポポ)

関西でよく見られるというシロバナタンポポ。なぜか工房の庭にたくさんあります。 葉の切れ込みが深いです。これはセイヨウタンポポも同様で、これがフランス語で「ライオンの歯」に例えられ、転じて英語の ‘Dandelion’となりました。デンティスト(歯医者さん)もここからきています。

銅媒染で得られる麹塵 (きくじん)色が、その、ちょっとほろ苦い葉の味に似て、ヲトナの粋を感じさせます。

参考サイト/文献

http://had0.big.ous.ac.jp/index.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/カントウタンポポ
http://ja.wikipedia.org/wiki/セイヨウシロバナタンポポ
http://ja.wikipedia.org/wiki/タンポポ
http://www.hana300.com/
http://www.hanakotoba.name/
http://members.jcom.home.ne.jp/tink/
http://takutaku.eco.to/daieto/ocya/k-tanpopo.html
・「続・草木染め 染料植物図鑑」 山崎青樹/ 著 美術出版社
・「山菜 -特徴・採取法・食べ方-」 丸山尚敏・会田民雄/ 著 成美堂出版
・「季節の野草・山草図鑑」高村忠彦/監修  日本文芸社
・「生薬101の科学」 清水岑夫/著 講談社
・「薬草図鑑」伊沢凡人・会田民雄/著 家の光協会

(C) Tanaka Makiko    たなか牧子造形工房  禁転載

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