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2014/02/07

2014/02/07

クサイチゴ・リスも大好きのもず色

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【学名】  Rubus hirsutus Thunb. Rubus ohmatiensis Nakai
【英名】  raspberry (総称)
【別名】  ナベイチゴ, ワセイチゴ(早稲苺)
【科】   バラ科

中国、朝鮮、日本全土に広く分布する落葉小低木。 4月の中旬をすぎた頃から鎌倉の野原や崖はだを注意してみると、クサイチゴの白い花に出会います。 花が終わって2,3週間もすると、点々と赤い実がそこここに付き、野原の初夏の彩りとなります。

ノイチゴと混同されますが、食用になるのはこちらのクサイチゴ。
西御門の大江広元の墓所の崖にクサイチゴの群生を見つけたのですが、残念ながら手の届くところにほとんど実はなく、崖上の美味しそうな実はすべてリスの腹におまってしまうようです・・・。

赤く熟した果実は、生食、ジュース、ジャムなどにして食べます。

【クサイチゴ酒】  
クサイチゴの果実の約3倍量の35度ホワイトリカーを入れて、梅酒のように漬け込み、3~6ヶ月冷暗所に保存して材料を引き上げる。かすかな香りと甘みのある、クサイチゴ酒になる。

名の由来は、草のように野原などにふつう生える丈が低い苺(の意味でクサイチゴ、別名の、ワセイチゴ(早稲苺)は、早く熟して食べられる意味から、ナベイチゴ(鍋苺)は、果床が余り目立たない集合果(イチゴ状果)を、鍋(なべ)に見立てたところから。

実のなっている5月の中旬に茎とはを採取して染めたところ、実の可憐さとは裏腹に、アルミで芥子色、銅でもず色、鉄ですばらしく堅牢な緑味の鉄色を得ました。

イチゴ全般は、俳諧では、「覆盆子」とも書き、「苺摘」「苺畑」ともに夏の季語。「苺の花」は春の、「苺の株分」「苺の根分」は秋の季語。

イチゴ全般の花言葉は、「先見」「尊重と愛情」「誘惑」「甘い香り」など。
クサイチゴは「幸せな家庭」。
5/7の誕生花。

参考サイト/文献

http://www.hana300.com/
http://www.e-yakusou.com/
http://had0.big.ous.ac.jp/index.html
http://members.jcom.home.ne.jp/tink/
http://blog.livedoor.jp/ashitaka23/archives/171313.html
・「原色牧野日本植物図鑑 コンパクト版 1」 北隆館

(C) Tanaka Makiko    たなか牧子造形工房  禁転載

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キョウチクトウ・毒で守る国防色

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【学名】   Nerium indicum Mill.
【英名】   Oleander
【生薬名】 キョウチクトウヨウ(夾竹桃葉) 
【科】    キョウチクトウ科

地中海沿岸からインド原産。日本には江戸中期(享保9年・1724年)に渡来しました。
花が桃のようで、葉が竹のようであることからこの名がついたと和漢三才図絵にあります。

学名のNerium(ネリウム)は、ギリシャ語の「neros(湿った)」が語源。
この属の植物が湿地によく育つところから。

日本ではクローンが多いせいか、あまり実がつくことはありません。

大変強い毒性をもち、食すると激しい中毒症状を起こします。花、葉、枝、根、果実すべての部分と、周辺の土壌にも毒性があります。(!) 生木を燃した煙も毒。(!!) 腐葉土にしても1年間は毒性が残るため、腐葉土にする際にも注意を。(!!!)

毒性の主成分であるオレアドレナリンは、致死量が青酸カリを上回るといわれます。同時に強心の薬として用いることもあります。葉を乾燥させたものを夾竹桃葉といい、打ち身キズにはこれを煎じた汁で幹部を洗うとよいとされますが、素人は用いない方がよいでしょう。

乾燥や大気汚染に強いため、街路樹などによく利用されており、鎌倉でもあちこちに見ることができます。花の少ない真夏に、白や淡紅の花がひときわ美しいです。
その強靭な性質のゆえか、原爆の投下で75年間は草木も生えないだろうといわれた広島で、被爆焼土にいち早く花を咲かせたといいます。そのことから原爆からの復興のシンボルとなり、広島市の花に指定されています。

少量で濃い染液が得られ、どの媒染でも堅牢な色合いです。自らの身を守るために備わったその強い毒のなせる技か、どの色もとってもミリタリー。特に銅媒染で得られた色はまさに国防色です。

毒性を考えると、煮出している時の蒸気は吸わないように気をつける必要がありますね。換気は十分に。

花言葉は、「危険」「気をつけて」「恵まれた人」「注意」「友情」「用心」「油断大敵」「深刻な友情」。
とくに花の色が、赤は、「親友」、白は、「恵まれた人」、切花の場合は、「戒め」。
8/12・8/14・8/20の誕生花。 

夏の季語。

参考サイト/文献

・「原色牧野日本植物図鑑 コンパクト版 1」 北隆館
・「よくわかる樹木大図鑑」平野隆久/著 永岡書店
・「和漢三才図絵」/寺島良安 第92巻
http://ja.wikipedia.org/wiki/キョウチクトウ
http://www.hana300.com
http://members.jcom.home.ne.jp/tink/
http://www.e-yakusou.com/

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ゲッケイジュ・勝利の赤銅色

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【学名】   Laurus nobilis L.
【英名】   Bay laurel,Laurel
【生薬名】    ゲッケイヨウ(月桂葉)、ゲッケイジュジツ(月桂樹実)
【科】   クスノキ科 

南欧原産。日本には明治38年ごろ渡来しました。雌雄異株。4〜5月に黄色の小花を咲かせるとありますが、日本ではあまり見られないところをみると、雌木が少ないのかもしれません。

ギリシャ語では「ダフネ」。ギリシャ神話に登場するニンフの名前です。

【アポロンとダフネと月桂樹の逸話】

---川の神ベネイオスの娘ダフネは、月の処女神であり、狩猟の女神でもあるアルテミスを崇拝する美しい娘で、永遠の処女を誓っていた。
ある日、太陽神アポロンがキューピッド(エロス)の弓の腕前を嘲ったために、頭にきたキューピッドが、アポロンには恋をかきたてる「黄金の矢」を、ダフネには恋を消す「鉛の矢」を射てしまう。アポロンは、ダフネに一目惚れをしてしまい、ダフネを追いかけるが、ダフネはいやがって逃げまわる。
つい、捕まえられそうになったダフネは、父神ベネイオスに祈って自分を月桂樹に変えてもらう。
アポロンはとても悲しみ、月桂樹の枝をかき抱いてくちづけし、「あなたを妻にすることは出来なくなったが、私の神木にして、冠としてかぶろう。」と誓った。---

学士のことをバカロレアとかバチェラーbachelorというのは、中世ラテン語の「月桂樹の実 baccalaureatus」からきているそうです。古代ギリシャで詩人や学者が学問上の栄誉を受けた際に月桂樹の冠をかぶったことから、勉学が守備よく完成したことを表すといいます。

和名の由来は、中国の古典「英華字典」に、ノーブル・ローレルを月桂樹(げっけいじゅ)と訳したという記述があり、それをそのままを音読みしたものという説があります。

乾燥した葉や、秋に黒く熟した実を乾燥させたものを煎じて服用すると胃を丈夫にする作用があります。(苦味健胃) 葉を噛むと肝臓の働きをよくするという記述も見当たります。

ヨーロッパでは、昔から肉料理の香りづけに葉を用いてきました。パセリやタイムなどとともに、煮込み料理に欠かせないブーケガルニ(数種類の香草の束)には必ず入っていますね。

鎌倉市第二小学校の校庭に、昔、生徒の保護者が寄付したという月桂樹の木が、大きな大木に育ち、子どもたちが葉を乾燥させて、給食のシチューに使うなどの授業に取り入れられてきたそうですが、先頃、残念なことに鳥の糞害が原因で枯れてしまったのだそうです。

でも、その枯れた切り株の周りには、元気のよいひこばえが無数に芽吹いていたので、許可をいただいて、少し分けていただきました。

その若々しい生命力をうつすように、どの色も透明感と力強さがあります。煮出していると、家中に独特の芳香(シネオール)が強く漂って、とても気分が良くなります。おなかもすいてくる・・・。

染液は、時間を置くほど赤みを増し、特に銅で媒染した赤銅色が美しいです。

月桂樹全般の花言葉は、 「勝利」「名誉」。
木では特に「栄光」「栄誉」「輝ける将来」。
葉では得に「死すとも変わらず」。
花では特に「不信」「不誠実」「裏切り」。

参考サイト/文献

・「原色牧野日本植物図鑑 コンパクト版 1」 北隆館
・「よくわかる樹木大図鑑」平野隆久/著 永岡書店
http://ja.wikipedia.org/wiki/ゲッケイジュ
http://www.hana300.com
http://members.jcom.home.ne.jp/tink/
http://www.e-yakusou.com/

(C) Tanaka Makiko    たなか牧子造形工房  禁転載

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