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2014/02/27

ハハコグサ・母は強しの璃寛茶(りかんちゃ)色

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【学名】   Gnaphalium affine, Gnaphalium multiceps Wall
【英名】   Cottonweed (?) 
【別名】   オギョウ(御形)、ホオコグサ(這子草)、ブツジグサ(仏耳草)、ソジ(鼠耳)
【生薬名】  鼠麹草(そきくそう)
【科】    キク科

学名のGnaphalium(グナファリウム)は、ギリシャ語のgnaphallon(一握りの尨毛(むくげ=獣の毛))」が語源。確かに葉には白い産毛があり、これが別名の「鼠耳」などに由来している模様。中国・朝鮮半島原産。

英語名のcottonweedは、かなり広義で、他の植物を指す場合もあるようです。

ハハコグサ(=オギョウ)の若芽を、ゆでて水にさらして七草粥(ななくさがゆ)の具にすることはよく知られています。見た目が地味なパートナーのチチコグサは、薬効などはハハコグサと同等なのに、その地味な容姿のゆえか、七草に選んでもらえませんでした・・・。

春先に和菓子屋さんに並ぶ草餅、草団子の緑色は、言わずと知れたヨモギですが、実は新事実発覚!

江戸時代半ばぐらいまでは、草団子には、ハハコグサの若芽を用いていたのだそうです!! ですが次第に、母と子を杵と臼ですり分けることが「縁起がよくない」と言われるようになり、代わりにヨモギを用いるようになった、ということです。

江戸時代の百科事典「和漢三才図絵」にも3月3日にハハコグサの草団子を食べてはやり病を封じること、最近では代わりにヨモギを用いるようになったこと、咳や痰には、花をとってタバコ代わりに吸うとよいなど、面白い記述が見当たります。

ハハコグサの草団子は、若芽を塩を入れた熱湯でゆで、水につけて軽くアク抜きしてから、細かく刻み、こねた米(もち米)の粉に混ぜて、よく練って、搗(つ)いてつくります。
若芽は天ぷらでもいただけます。

全草を乾燥したものを鼠麹草(そきくそう)といい、お茶にして飲むと鎮咳(ちんがい)作用があります。
急性扁桃腺炎には、全草を煎じてその液でうがいをするとよいそうです。
また、 全草の黒焼き粉を作り、トウガラシ粉を加えて植物油で練り合わせたものを塗るとタムシに効く、とされています。

柔らかな見かけに反し、どの媒染でも力強い色。色実はチチコグサとほぼ同じです。鉄の黒緑、銅の璃寛茶(りかんちゃ)色がとくに美しいです。母の底力を感じます。

俳諧では、「ほうこぐさ」「御形蓬(ごぎょうよもぎ)」とともに春の季語。

花言葉は「いつも思う」「やさしい人」。4/25の誕生花。

参考サイト/文献

http://members.jcom.home.ne.jp/tink
http://www.hana300.com/
http://www.e-yakusou.com/
http://ejje.weblio.jp/
http://www.wildflowersofireland.net/plant_detail.php?id_flower=72
・「原色牧野日本植物図鑑 コンパクト版 1」 北隆館
・「季節の野草・山草図鑑」高村忠彦/監修  日本文芸社
・「和漢三才図絵」/寺島良安 第94巻
・「薬草図鑑」伊沢凡人・会田民雄/著 家の光協会

(C) Tanaka Makiko    たなか牧子造形工房  禁転載

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