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2014/05/15

ウラシマソウ・静かな毒草の枯茶色

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【学名】  Arisaema urashima
【英名】  cobra lily Urashima
【別名】   ヘビグサ(蛇草)
【科】    サトイモ科

学名のナンテンショウ属を表すArisaema(アリサエマ)は、ギリシャ語の「血のような斑点が葉にある植物」の意。(ウラシマソウには特に斑点は見当たらないですが。)

北海道南部から四国にかけて、湿気の多い山林などに生える宿根の多年草。雌雄異株。このウラシマソウを含むナンテンショウ属の植物は、その性が転換することが知られています。若い株、小さい株は雄が多く、大きくなると雌に変化するというから、驚きです!

マムシグサと類似していますが、ウラシマソウは花の先に長いツルを出し、これが浦島太郎の釣り竿に例えられてこの名があります。

実、根茎ともに有毒。ゆえに薬効も強く、去痰、咳止めのほか、がん一般に有用との説もあり。ですが、素人は絶対に用いないほうがよいでしょう。
根茎を堕胎に用いた歴史もあるそうです。夏にトウモロコシ状の実をつけ、これが赤く熟しますが、食べると口内のしびれ、腫れ、ひいては肝機能障害を引き起こすので要注意です。

以前からずっと染めてみたいと思っていた植物でしたが、谷戸が深く湿気の多い鎌倉にあっても、近年は数が減っていて、なかなか手に入りませんでした。が、今回、常盤にお住まいのYさん宅の裏庭の群生から分けていただく幸運を得ました。

花はクロユリを連想させるほどの黒々しい紫だったので、花と茎はを分けて染色してみました。
花を煮出した液は、その紫色が溶け出したような色になりましたが、アルミで樺色になるにとどまりました。銅で媒染した枯茶色(からちゃいろ)が美しかったです。茎・葉はアルミで美しい黄色。銅ではどちらもカーキーグリーン、鉄では朽ち葉色。

花言葉は「懐古」。ふむ、たしかに古い時間が花全体にとけている感じの風情です。

参考サイト/文献

・http://ja.wikipedia.org/wiki/ウラシマソウ
・http://www.hana300.com/
・http://members.jcom.home.ne.jp/tink
・http://www.e-yakusou.com/
・http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/poison/higher_det_12.html
・「原色牧野日本植物図鑑 コンパクト版 2」 北隆館
・「和漢薬」赤松 金芳 / 著医歯薬出版株式会社

(C) Tanaka Makiko    たなか牧子造形工房  禁転載

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