ハルジオン・貧乏性のど根性色
【学名】 Erigeron philadelphicus
【英名】 common fleabane、Philadelphia fleabane
【別名】 ビンボウグサ(貧乏草)、ハルジョオン、ハルシオン
【科】 キク科
日本人であれば、もれなくこの花と子どもの頃の思い出がリンクするのではないでしょうか。春の空き地でいつもいっしょにいたハルジオン。別名、貧乏草。たしかにゴージャスなセレブ感は皆無、庭に生え始めると、なんだか金運が下がるような情けなさも醸し出し、でも、いなくなったら寂しい・・・そんな花ですね。
学名のErigeron(エリゲロン)は、ギリシャ語の「eri(早い)+ geron(老人)」が語源で、早く咲き(春の花)、白い軟毛で覆われた花、という意味。
北米原産。大正年間に観賞用として持ち込まれたものが、関東の都会で野生化、現在では日本全国で見られる帰化植物です。日本生態学会によって日本の侵略的外来種ワースト100に選定されていますが、もうすっかり日本のお花です。
同種のヒメジョオン(姫女菀、学名: Erigeron annuus)より、花が大ぶりで、花弁がワッサリしています。また、茎の内部が空洞である、つぼみがうつむいている、花にピンク色がある、などがハルジオン(春紫苑)の特徴です。
葉や花を採取して、陰干しにして乾燥させたものをお茶にして服用すると、糖尿病やむくみの改善に効果があるとされます。また、若芽は適時採取して、塩を入れた熱湯でかるく茹でてから、水にさらしてアク抜きをして、おひたし、あえもの、油いため、佃煮などで楽しめます。特に若い葉は、そのままころもをつけて天ぷらにして香りを楽しむことができます。
少量でもたいへん濃い染液が得られるのにはびっくり。どの色もとても堅牢で、アルミで緑みの芥子色、銅で、ひき茶色、そして鉄の黒緑が特に美しいです。
「貧乏人」の底力を感じますね。か弱く見えて、いやいや、恐れ入りました。
花言葉は「追想の愛」。
参考サイト/文献
・http://ja.wikipedia.org/wiki/ハルジオン
・http://members.jcom.home.ne.jp/tink
・http://www.hana300.com/・http://www.e-yakusou.com/
・http://ejje.weblio.jp/
・「原色牧野日本植物図鑑 コンパクト版 2」 北隆館
・「よくわかる山菜大図鑑」今井國勝・今井万岐子/著 永岡書店
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