ノゲシ・憎まれっ子のモスグリーン
【学名】 Sonchus oleraceus L.
【英名】 common sowthistle
【別名】 ケシアザミ、ハルノノゲシ、ツバヒラクサ
【生薬名】 苦菜(クサイ)
【科】 キク科
ヨーロッパ原産。史前帰化植物として古くに日本に伝わりました。
葉のギザギザが深く、一回り大きいものは、オニノゲシと呼ばれます。
花の咲いた時期に全草を採取して天日で乾燥させたものをお茶として服用すると、脾・胃・肝・腎・心・肺の五臓六腑の邪気を払い、無毒で心を鎮め、気力が充実し、身を軽くして老化を防ぐ、滋養強壮の効果があるといわれています。
ロゼット状の葉っぱ、新芽、つぼみは食用となる。アクが強いのでゆでたあと充分に水にさらして、和え物、炒め物で楽しめます。
このアクの強さは、染色では堅牢な色を得るキーワードで、予想通り、少量で強い色が得られました。
アルミで卵色、銅でモスグリーン系、鉄で海松色系。若い株よりも、花が終わりかけぐらいのもののほうが濃い色になるようです。
煮出すとキク科特有の甘さのないきりりとした芳香が漂って、気分さっぱり。
鎌倉でも、オニノゲシとともに春先から初夏にかけてあちこちに群生が見られ、その様子は、他を圧倒する迫力があり、ちょっと見、ヤンキーな暴走族集団の空気感・・・。でも葉っぱはギザギザと尖っていますが、触って痛いほどではありません。よくみるとかわいいところもあって、"ギャップ"に弱い女心がくすぐられます。
花言葉は「見間違ってはいや」「旅人」「幼き友」「悠久」「追憶の日々」、そして「憎まれっ子世にはばかる」。
染色人には愛すべき憎まれっ子です。
参考サイト/文献
・http://ja.wikipedia.org/wiki/ノゲシ
・http://www.flower-photo.info/products/detail.php?product_id=371
・http://www.hana300.com/
・http://www.e-yakusou.com/
・「原色牧野日本植物図鑑 コンパクト版 1」 北隆館
・「よくわかる山菜大図鑑」今井國勝・今井万岐子/著 永岡書店
・「和漢薬」赤松 金芳 / 著医歯薬出版株式会社
(C) Tanaka Makiko たなか牧子造形工房 禁転載
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