チョウメイソウ・不老長寿の利休色
photo from : here
【学名】 Peucedanum japonicum
【別名】 ボタンボウフウ(牡丹防風)、ナガイキグサ(長生き草)、サクナ、
ゴシャメンニンジン(御赦免人参)
【生薬名】 防葵(ぼうき)=根
【科】 セリ科
別名は、葉が牡丹に似て、中国原産の薬草「防風」に似ていることから。長命草は、「一株食べれば一日長じる」と言われるほどの薬効の高さからその名があります。石川県、関東地方、沖縄および朝鮮半島、中国、東南アジアに分布。沖縄では「チョーミーグサ」の名で親しまれており、実際カルシウム、鉄分、ポリフェノールなどの含有量が多く、昨今ではその薬効から、様々な健康食品に加工され、人気を得ています。
江戸時代には、許可制で、根を朝鮮人参の代用品として使うことができたとのことで、御赦免人参(ゴシャメンニンジン)と呼ばれていたといいます。朝鮮人参級の薬効たぁ、恐れ入りやした!
根は特に「防葵(ボウキ)」と呼ばれる生薬で、「下腹部が熱くなり痛みを伴う症状を緩和し、膀胱痛を良くする。長く服用すると骨や骨髄を強める。」の記述が見当たります。
知人が沖縄から取り寄せたというこのチョウメウソウの葉を、分けていただくことができたので、試染してみました。煮出していると、頭の冴える強い香り・・・正直、芳香とは言い難い、でも嗅いでいるとクセになる「漢方薬局な匂い」が染め場に広がり、嗅ぐと長生きできそうな感じがして、思わず何度も深呼吸してしまいましたよ。
染液は、鮮明な黄色になりました。アルミ媒染で、芥子色、黄橡(きつるばみ)、飴色。銅で ひき茶色、媚び茶色。鉄で利休、海松(みる)色。どの色も大変堅牢です。
花言葉は「長い時間のつながり」。
参考サイト/文献
・http://www.t-webcity.com/~plantdan/index.html
・http://xn--ogry99b4ld810d.name/tyoumei/
・http://minhana.net/wiki/ボタンボウフウ
・http://www.ymtkha3rd.com/kanpoukenkoushokuji/521bouki.html
・「原色牧野日本植物図鑑 コンパクト版 1」 北隆館
・「和漢薬」赤松 金芳 / 著医歯薬出版株式会社
(C) Tanaka Makiko たなか牧子造形工房 All rights Reserved 禁転載
| 固定リンク | 0
「鎌倉染色彩時記(染)」カテゴリの記事
- アレチヌスビトハギ・怪盗ルパンの鴇浅葱(2023.09.24)
- ウメノキゴケ・権力者の赤紫(2023.08.21)
- コマツヨイグサ・風呂上がりの黒緑(2023.08.18)
- カニクサ・蟹もびっくりの草色(2023.08.15)
- ハキダメギク・鶴の輝きの黒緑(2023.07.09)
コメント