ユキヤナギ・ライスシャワーは薄雲鼠(うすくもねず)
【学名】 Spiraea thunbergii Sieb.
【英名】 Thunberg's meadowsweet, Thunberg Spirea
【別名】 コゴメバナ(糏花)、コゴメヤナギ(糏柳)、シジミバナ(蜆花)
【科】 バラ科
学名の「Spiraea(スピラエ)」は、ギリシャ語のspeira=花輪、渦巻きが語源。花のついた枝で花輪をつくったことから。「thunbergii」はスウェーデンの植物学者「ツンベルクの」の意味だそうです。
日本原産。(中国原産説もあり。)別名のコゴメバナは「糏=小米」すなわち、くだけて小さな粒になった米のことをいいます。和漢三才図絵にも「花が蒸糏のようであるからこの名がある。」とあります。なるほど、春先に枝に連なる小さな花の様は、ヨーロッパの結婚式に見られるライスシャワーみたいですね。
別名のコゴメバナ(糏花)、シジミバナ(蜆花)は、牧野植物図鑑では別扱いになっています。
中国名は「噴雪花」、たしかに満開時は株全体が雪をかぶったようにも見えますね。岩肌や岩の裂け目などに生える様から、昔は「岩柳」とも呼ばれたこともあるようですが、そのような自生したユキヤナギは、今ではほとんど見られませんね。実は、庭木として人気ですが、自生種は絶滅の危機にあるのです。
日当りのよいところであれば、関東以南では、比較的容易に育ちます。
鎌倉でも、あちこちの家々で真っ白に咲いた小花の房が春を告げます。葉は、秋になると黄色く紅葉してきます。花の時期に染めると、総じて緑がかった黄色から灰色を得ます。染材の量にもよりますが、絹に染まったほんのりしたグレーがとても美しかったです。
一度、アルカリ抽出で銅媒染したら、濃い緑色を得たことがありましたが、二度と出ませんね。
花言葉は、「愛らしさ」「懸命」「殊勝」「静かな思い」。
1/19・1/21・3/11の誕生花。春の季語。
参考サイト/文献
・http://ja.wikipedia.org/wiki/ユキヤナギ
・http://members.jcom.home.ne.jp/tink
・http://www.hana300.com/
・http://www.pfaf.org/
・http://www.yasashi.info/yu_00002.htm
・「原色牧野日本植物図鑑 コンパクト版 1」 北隆館
・「よくわかる樹木大図鑑」平野隆久/著 永岡書店
・「和漢三才図絵」/寺島良安 第84巻
(C) Tanaka Makiko たなか牧子造形工房 禁転載
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