サトイモ・ズイキはイキなオリーブグリン
【学名】 Colocasia antiquorum Schott var,esculenta Engl.
【英名】 eddoe,taro
【別名】 イエイモ(家芋)、ハタケイモ(畑芋)、タノイモ(田の芋)
【生薬名】 海苧(→クズワイモ)
【科】 サトイモ科
アジア原産の多年草。学名のColocasia(コロカッシア)は ギリシャ語の「colon(食物)+casein(装飾)」が 語源で、飾りにも食用にもできるという意味。
英語名にtaroとあるように、サトイモはタロイモの仲間で、タロイモの中でいちばん北で生育する種類だそうです。
日本には縄文時代に渡来し、少なくとも奈良時代には栽培されていたことがわかっています。奈良・平安時代にはヤマイモを指す「ウモ」と区別するため「イヘツウモ(家の芋)」、「イヘノイモ」などと呼ばれ、サトイモと呼ばれるようになったのは室町時代から。
同じサトイモ科のマムシグサは毒草として知られていますが、昔から「天南星(テンナンショウ)」の生薬名でも知られ、通風、破傷風、強院、堕胎に用いたといいます。そのほか特にアオマムシグサの球茎(イモ)は、日本古来の民間療法として、おできの吸い出し、水虫の治療、手足のマメの治療に用いられたそうです。
サトイモ、ハスイモの茎をとくに「ズイキ(芋茎)」といい、食用となります。
一般には干して煮物などで食べますが、鹿児島では、生で刺身のツマにするとか。
鎌倉時代の武士の文化を研究している鎌倉もののふ隊のイベントがカジュで行なわれた時、鎌倉武士の食事の再現をしたことがあります。鎌倉武士は戦の際、ズイキを味噌で煮固めたものを荷縄として使い,これを必要に応じて、戦場での食事の時々に切って、湯を注いで味噌汁を作ったといわれています。インスタント味噌汁のルーツは鎌倉時代にあったのだ!
写真は再現した「味噌で煮染めたズイキの荷縄」 。
オモシロいから、調べた「肥後ズイキ」の話も書いちゃおうかなぁと思ったけど、未成年も読んでいるかもしれないので、ここではやめておきます。(笑)
葉の表面には細かい毛が生えていて、これが雨露を転がす様がとても美しいですね。
鎌倉で無農薬農園をしている友人が、収穫の終わったサトイモの葉っぱと茎を持ってきてくれました。どの媒染でも渋い枯れ葉色の系統ですが、鉄媒染で染めたウールが、惚れ惚れするようなオリーブ色になったのは特記事項です。
花言葉は「繁栄」「愛のきらめき」「無垢の喜び」。
参考サイト/文献
・http://had0.big.ous.ac.jp/index.html
・http://blogs.yahoo.co.jp/jimcom869426/36712040.html
・http://ejje.weblio.jp/
・http://wikipedia.org/wiki/サトイモ
・https://ja.wikipedia.org/wiki/芋茎
・http://gogen-allguide.com/
・http://www.hana300.com/
・「和漢薬」赤松 金芳 / 著 医歯薬出版株式会社
・「薬草図鑑」伊沢凡人・会田民雄/著 家の光協会
・「原色牧野日本植物図鑑 コンパクト版 1」 北隆館
・「和漢三才図絵」 第102巻
・協力 : 髙木素子氏
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