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2016年9月24日

2016/09/24

アザミ・なめたらいかんぜよ、な黒緑。

Azami02

【学名】  Cirsium japonicum DC. (ノアザミ)
      Cirsium oligophyllum(ノハラアザミ)
      Cirsium nipponicum var. incomptum(トネアザミ)
【英名】  Thistle
【別名】  アザメ、ギザギザ、オニクサ(九州) センシンソウ(千針草)
【生薬名】 薊葉(けいよう=葉) 薊根(けいこん=根)
【科】   キク科

 

「アザミ」は、キク科アザミ属の総称で、春によく見かけるのはノアザミ、秋に花をつけるものにノハラアザミ、トネアザミなどがあります。お漬物が美味しいヤマゴボウはモリアザミの根です。ノアザミの根も味噌漬けやきんぴらがイケます。

名前の由来には、
(1)八重山語(沖縄方言)で棘のことを「アザ」ということから。
(2)花を手折ろうとするとトゲが刺さって驚くことから、「驚きあきれる」を意味する古語「あざむ」が語源になった。
(3)傷むとか傷ましいの意である古語「あざむ」に由来。・・・など諸説。
ちなみに、トネアザミの別名タイアザミの由来は、触ると「イタイ」ことから。(まんまやん!)

生薬では、花の咲く頃に全草を乾燥させたものを「薊(けい)」といい、オニアザミやヤマアザミを「大薊(だいけい)」、ノアザミやノハラアザミを「小薊(しょうけい)」といいます。
和漢三才図会には「よく結滞した血を流動させ、鼻血ゆ至急の不正出血をとめる」とあります。
煎じて服用すると利尿、解毒、止血、強壮に効果。特に根には止血効果大、また持続性の血圧降下作用も。

「薊の花も一盛り」という諺は、「目立たない女性でも年頃になればそれなりに美しくなる」の意味ですが、いやいや、アザミちゃん、花の咲く前もあとも、十分目立ってますから。野原では、葉っぱだけでも、たいそうなインパクトですから。

キリストが磔刑に処された際、キリストの体を打ち付けていた釘を聖母マリアが抜き、それを埋めた場所から生えたのがアザミと言われています。そのためキリスト教世界では聖なる花とされます。

1263年、ノルウェー王ホーコン4世が、北海諸島の領有権を巡って対立していたアレグザンダー3世統治下のスコットランドを大軍で攻撃。が、王城に近づいた斥候が、アザミの棘を踏んで悲鳴を上げたため奇襲が発覚し、スコットランドが勝利をおさめました。
この故事により、アザミはスコットランドの国花となったそうです。
国を戦争で勝利に導いた花ですか! あっぱれです。たしかにトゲトゲと痛いですし、そんな勇ましいエピソードには事欠かない感じですが、お花が咲くと不思議とおちゃめでガーリーな印象です。
スコットランドの荒風に鍛えられた鉄火肌の下町娘が、ノルウェーバイキングに向かって「一昨日おいでな、このスットコドッコイ!」と大啖呵を切ったという感じがぴったり。(笑)

昨今、アパレル業界用語で氾濫している「あざみ起毛」は、アザミの実を使って布の表面を起毛させることを指すとありますが、これは誤り。
アザミによく似たティーズル(マツムシソウ科のナベナ)の乾燥した実を繋いで作ったカーダーで起毛を施すことをいいます。
これはもともと、紡ぐ前の羊毛を梳く道具で、現在はスチールの針がついています。

Lavenham_suffolk_teasel_carder Carding03_2

常磐にお住まいのYさんが、庭にトネアザミが咲いたと連絡をくださり、ひと株分の茎葉を花ごと頂いてきました。煮出しているとキク科の芳香が心地よく、染液は緑がかった黄色だったのですが、火をとめて濾したらみるみる黒く変色してきました。
その黒い液をそのまま写して、どの媒染でも小粋なグレーから緑味の黒。アルミ媒染で藍媚茶、鉄で山鳩色。銅媒染のウールの濡れ羽色が、まさに鉄火肌の粋。

 

花言葉は「権威」「触れないで」「独立」「厳格」「禁欲」「人間嫌い」「報復」「復讐」「満足」「安心」「批評家」
7/1・9/14・10/21の誕生花。

参考サイト/文献

http://ja.wikipedia.org/wiki/アザミ
http://www.geocities.jp/greensv88/yasou-zz-toneazami.htm
http://rennai-meigen.com/azamihanakotoba/
http://members.jcom.home.ne.jp/tink
http://www.e-yakusou.com
・「花と樹の事典」木村陽二郎 / 監修 柏書房
・「和漢三才図絵」/寺島良安 第84巻
・「原色牧野日本植物図鑑 コンパクト版 1」 北隆館
・「原色牧野日本植物図鑑 コンパクト版 2」 北隆館
・「和漢薬」赤松 金芳 / 著医歯薬出版株式会社

(C) Tanaka Makiko    たなか牧子造形工房  禁転載

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