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2019/01/17

2019/01/17

ワサビ・つーんと効きます翡翠色

Wasabi01

【学名】   Wasabia japonica Matsum.
【英名】   Japanese horse-radish, tuftid stone leek, wasabi
【別名】   ヒノ、ワサビナ、チャルカルペ(アイヌ語)
【科】    アブラナ科

 

日本特産の植物。九州、四国、本州の山間の涼しい谷川の浅瀬に生える、また、水のきれいなところで栽培される多年草草木(そうほん)です。

栽培の歴史は定かではありませんが、古くは「延喜式」に若狭、越前、丹後、但馬、因幡、飛騨の諸国から宮廷に献上された記述が残っています。近年では、伊豆の天城山、安倍川流域、長野の安曇野などが産地として有名です。

そういえば、89年にブータンを旅したとき、中央ブータンの古都パロで、JICAの指導で日本の野菜を育てている農園をみました。そこにはワサビも。ヒマラヤの雪解け水に抱かれたワサビ、辛そうですね。インドに輸出されていると聞きましたが、はて、インドのお料理にワサビはどんなふうに使われているのでしょう。

和漢三才図会には「二月(現三月下旬)に種をまくが、宿根(ふるね)を植えるのが最もよい。葉が蕗(フキ)か葵(アオイ)の葉に似ている。それで俗に山葵という。(中略)根の肉は浅緑色で香気があり、味は辛辣である。これをおろして煎り酒とまぜ、刺し身、膾(なます)を食べると最も佳い。蕎麦切を食べるときも欠かす ことはできない。」とあり、魚の毒消し、そばの毒消し、また、出血性大腸炎に有効であるという記述が見当たります。美味しく食べる=安全に食べる、の江戸の知恵、さすが。

幕末に編纂された「草木六部耕種法」に、イネの一反分の収益が一両二分であったのに対し、ワサビは十五両であったという記述があり、大変高価なものであったことが伺えます。

薬効は主に根にあり、おろし金ですりおろして香辛料として用いると、芳香健胃、食欲増進、防腐、殺菌効果。
外用として、リューマチや神経痛には、生の根茎ををすりおろして小麦をつなぎとし、布にうすくのばして患部に貼って10分くらいで取り去るとよいとされます。

ワサビの辛味と香りは、すりおろした時に細胞破壊で酵素が作られることにより発生するので、すりおろし方によって辛味が違ってきます。葉のついたほうから円を描くように、すりおろすのがよいそうです。

同じアブラナ科ワサビ属のユリワサビは、ワサビに似た小ぶりな多年草での根が同様に使えます。葉は生のままサラダなどにして食べる、さっと茹でておひたし、酢の物、粕漬け、漬物などに。

ワサビの茎をつかった「わさび漬け」。目がないのですよ、コレ。作れたらいいのになぁ、と思っていたら、掛田商店さんが、春先に短期間出るワサビの茎と酒粕をカジュのイベントで売ってくれまして、その時、レシピを教えていただきました。

<<わさび漬け>>
A.  わさびの茎 100g、   塩 10g
B.  酒粕 100g、 酒50cc、 出汁 50cc
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1. Aを合わせて、まな板の上で茎によく塩を擦り込み、もんで、一晩寝かせる。
2. 出た水を捨てて、茎を2cmmに刻む。
3. Bをすり鉢出会わせてなめらかになるまでよく当たる。
4. そこに刻んだ茎を入れてよく混ぜ、密閉容器に入れて冷蔵庫で寝かせる。3〜4日後から食べ頃。

昨春の彼岸の入りに、伊豆にお住まいのTさんから「ワサビの収穫が終わって、葉っぱと茎がたくさんあるのですが、いりますか」という夢のようなメールが来ました。「はい! いただきますっ!」と速攻でお返事したところ、これまた速攻でたくさんのワサビの茎葉が届きました!

葉を煮出してみたところ、たちどころにワサビの香りが立ち込め、染液は澄み切った青みの黄色になりました。アルミで緑味の淡黄色、すずでカナリア・イエロー、銅でオリーブグリン、鉄で鶯茶。・・・これなら、アルカリ抽出できれいな緑が出るかもしれないと思い、そちらも試染。
読みどおり、銅で鮮やかな翡翠色、鉄でも草色。どの色にも、透明感と、ある種の緊張感が漂います。

あ、のこった茎は、わさび漬けにしたのは言うまでもありません。周囲の方々のモノ、チエ、キモチの恵みに心からの感謝を。

花言葉は「実用」「目覚め」「うれし涙」。春の季語。

◎参考サイト / 文献◎
http://ja.wikipedia.org/wiki/ワサビ
http://www.hanakotoba.name
http://www.e-yakusou.com/
・「花と樹の事典」木村陽二郎 / 監修 柏書房
・「原色牧野日本植物図鑑 コンパクト版 1」 北隆館
・「薬草図鑑」伊沢凡人・会田民雄/著 家の光協会
・「和漢三才図絵」第99巻 寺島良安 / 著

 (C) Tanaka Makiko    たなか牧子造形工房  禁転載

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