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2019/01/29

笹蔓文(ささづるもん)

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1月の終わり。展示会のお客様で、きものつながりの鎌倉フレンドN子さん。大町の呉服屋さんにお勤めで、なんと、そのお店のきもの展示即売会のご招待状をくださいました。

京都から織元さんや呉服屋さんがいらしていて、反物、帯、小物の逸品を、ていねいな解説つきでたくさん見せていただきました。お土産に、織り布の風呂敷まで頂戴しました。数ある中から、柄の動きが軽妙で可憐な感じのものを選んだところ、「あ、笹蔓(ささづる)ですね。」とお店の方が教えてくださいました。

もともとは、明代の中国で織られていた笹蔓緞子(ささづるどんす)という古裂の模様です。
緑の経糸(たていと)に朱がかった茶の緯糸(よこいと)を入れて繻子織(しゅすおり)で紋を織りだした古渡緞子(こわたりどんす=室町時代以前に渡来した朱子織りの織物)の傑作といわれています。

明よりひとつ古い宋代の中国では「300年に一度花を咲かせる(実際は60〜120年に一度ですが)竹は、「長寿」を象徴している」という考えがあって、その竹の花、実、つるをあしらったのが最初のデザインだったようです。永寿の吉祥紋とされています。

面白いですね。今は、竹が花を咲かせるのは不吉の象徴などといわれているのに。

そのうち、当時流行した「文人画」において、好んで描かれた題材「歳寒三友(さいかんのさんゆう)」、すなわち、松、梅、竹に影響を受けて、花が梅に、竹の実が松ぼっくりになったようで、これが明代になって、日本に伝わったというわけです。(竹の花は、イネ科ですから花びらがほとんど目立ちませんものね。)ですから、古い笹蔓文は、花びらは5弁でした。(写真左)

今では、5弁より6弁の花のものが多く見受けられます。(写真中央 : 東京国立博物館蔵)
これはあくまで私の想像ですが、機械で織りだす時、こちらのほうが経糸のパターンがひと手間少なくてすむので、都合がいいのかもしれません。

意識して調べてみますと、帯地などに様々な色合いでこの「笹蔓文」を見ることができます。
喜多川歌麿の浮世絵の帯の部分にも見られますね。(写真右 : 東京国立博物館蔵)

松竹梅・・・2/5は旧暦の元旦。これからしばらくは、季節的にもピッタリの柄ですね。

◎参考サイト / 文献◎

http://www.so-bien.com/kimono/
https://ja.wikipedia.org/wiki/松竹梅
https://ja.wikipedia.org/wiki/歳寒三友
・「服飾辞典」文化出版局
・「年表と地図による世界史の総整理」 平原光雄 / 著  山川出版

(C) Tanaka Makiko    たなか牧子造形工房  禁転載

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