タニソバ・タデ科の底力の漆黒
【学名】 Persicaria nepalensis (Meisn.) H. Gross,
Polygonum nepalense Meisn
【英語名】 Nepalese Smartweed
【科】 タデ科
学名のPersicariaは「イヌタデ属」を表す。ミソソバ、ミズヒキソウなどは同じ仲間。日本在来種。北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国、台湾、ロシア、アフガニスタン、インド、ブータン、ネパール、パキスタン、フィリピン、インドネシア、タイなどの山地、原野の湿った場所に自生する一年草。
夏から秋にかけて小花をつけます。花色は白から淡紅が多く、青紫のものもあるそうです。
秋に青黒い実がつきます。藍と同じタデ科なので、集めて染めたら、青系の色を得られるかもしれません。
イギリスのサイトには、根をすりおろした汁が解熱に効く、湿布にすると傷を癒やす、などの記述もありますが、日本の民間薬としての記述は特に見当たりません。
近種のミソソバに比べ、見た目が地味で目立たない。これといった歴史的逸話や民話も見当たらない・・・。しかし、なんでしょう、この、群生の存在感は。
小坪にお住まいの教室の生徒さんのお宅の近くに、群生が見つかり、少し採ってきてくださったので、煮出してみました。
タデ科の植物は、藍をはじめとして、染料として優秀なものが多く、このタニソバも、落ち着きのある大変堅牢な色を得ました。
アルミで空五倍子色(うつぶしいろ)、銅で鶯茶( うぐいすちゃ)、鉄の漆黒は特筆すべき美色です。
◎参考サイト / 文献◎
・http://mikawanoyasou.org/data/tanisoba.htm
・http://www.pfaf.org
・「原色牧野日本植物図鑑 コンパクト版 2」 北隆館
(C) Tanaka Makiko たなか牧子造形工房 禁転載
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